U-MAIL(ウンコ通信) 2003/06/15-2 


「ヘラ鳥ウオッチング」:5/19

「A SAINT SAVES WOMEN FROM A TERRIBLE FATE」

「女性の苦難を救うエチオピアの聖女」 N・D・クリストフ

(エチオピア、アジス・アババ発)

俺たちジャーナリストは、いつもスキャンダルばっかり報告する。でも、今日はチガウ。現代の聖女を紹介、礼賛申し上げる。

キャザリン・ハムリン博士、77才、オーストラリアの婦人科医師。想像絶するヒドイ条件下で、44年間、このアジス・アババでヒッソリと治療続けている。

彼女は24000人の女性をオソロシイ瘻管病(FISTULAS)から救って来た。この病気、先進国ではほとんど知られていないが、世界のビンボー国では、何百万の女性が罹るオソロシイ病気なのだ。

典型的には、十代の女性が、骨盤が狭く、胎児を産めない時に起こる。医者にも見せず、何日か過ごした後、赤ん坊は死に、女性の膀胱、膣、直腸、に穴が穿く。糞尿タレ流しとなり、時には神経障害から「居座離」となる。

この病気に罹った女性は悪臭を発し、歩いた後に尿の筋が出来る。大抵の場合、夫に捨てられ、村から追い出される。

ワタシが、此処アジス・アババで出会ったマハブーバ・モハメッドの場合を取り上げて見る。8才で奴隷同様に売られ、12才で主人にレイプされ、13才で苦しんだ末に赤ん坊を死産、産道内部を傷つけ、瘻管病となる。彼女は這い摺って村に戻るが、赤ん坊の父親は、その臭気を厭がり、彼女を離れた小屋に押し込め、その扉を外した。夜間、その匂いを嗅ぎつけたハイエナがやって来て、八つ裂きにしてしまうのを期待して。

マハブーバはハイエナと闘って撃退し、まる一日這ってアメリカ伝導師館に辿り着く。そこから、ハムリン博士の主宰するアジス・アババの瘻管病病院に送られる。ハムリン博士は彼女を治療し、今、マハブーバは、信頼される看護助手として、此処で働いている。

こんなハナシがイッパイあるのだ。ハムリンの病院は、エチオピアで毎年2500人の女性を治療しておる。しかし毎年8500人が新たに瘻管病に罹る。

ナイジェリアの女性問題省の推定では、治療を受けていないこの病気の患者が80万人居る、と。殆どの国では、患者数を数えるどころではないのだよ。

「世界で一番アワレな女性たちが此処に居ます」ハムリンは言う。「この病気の恥ずかしさで、彼女等は世界の中でヒトリボッチ。癩病やエイズには援助の機構があります。だけど、この病気に関しては誰も知らないし、助けて呉れないのですよ」

昨年、小ブッシュは、中国の妊娠中絶でアタマに来て、国連人口基金への3400万ドルの支援をカットしてしまった。この基金は瘻管病防止にも当てられていたのに。なんとバカなハナシではないか。でもワタシの主旨としては、コンナモン嘆いたってハジマラナイ、ハムリンをホメたいのだよ。

ハムリンは、こうしたことに冷笑的な援助関係者からも、聖女として知られ、ノーベル賞の候補として名前を挙げられている。当然なことだよ。

一方で、2人のアメリカ女性が、昨年から、小ブッシュのバカな支援カットに対抗して、1人が1ドルの献金をする「3400万の友」キャンペンを始めている。これまでに100万ドルを集めて、その半分は13ケ国の瘻管病の防止と治療に当てられることになっておる。

その他にも、不屈のアメリカ人、ルイス・ウォール博士も居てはる。彼はアフリカ全土の瘻管病を治療して廻り、西アフリカに瘻管病病院を建てるべく、募金活動中。

ナゼ、アフリカ各国の政府が、この病気の患者に対してナニもヤラナイのかと言うと、これらの女性が貧乏のドン底で、汚名を着せられており、ナニも発言出来ないからだ。

しかし、第3世界の母性の健康に関して、これ以上重要な問題は無い。ワタシは、西側の女性人権団体が、この問題に関心を示さないことにナットクが行かないよ。

それは多分、西欧人が、この病気のゾっとするオソロシサを識らないからだろう。或いは、この病気が、女性の古クサイ役割である出産に関わることなので、女性団体のイシキを刺激しない、と言うことかも。

しかし、この病院で再生した恥ずかしがり屋の女性たちと話してみれば、これ以上のキリスト教伝道の使命は無い、と分かる。ハムリンはマサに、ワレワレの時代のマザー・テレサなのだよ。



BACK