U-MAIL(ウンコ通信) 2003/07/30
えー、26日付けのこのサイトで、ワメはウダイ・クサイ兄弟の殺され方を「屠殺」と呼んだ。
当のイラクでは、この「屠殺」、どー受け止められておるのか?
「ヘラ鳥ウォッチング」:07/28
「THE BROTHERS'ENDING」 by NEIL MACFARQUHAR
「ホントに死んだかウダイとクサイ」 〜イラクの床屋政談〜
(バグダッド・発)
ウダイとクサイの写真がテレビに映るやイナヤ、ここバグダッド市内のゼイン理髪店ではギロン沸騰した。
半数のニンゲンは抑圧者の死に大喜びだった。しかし半数はこれはインチキ写真だ、だって攻撃受けた時、彼らは、ホントはスペインに居たはずだと。
アメリカ当局は、このゾッとする映像にイラク民衆が、どう反応するか、アレコレ考えた末に、ソノマンマ放映することにキメたのだ。
金曜日、米軍付き葬儀屋と、法医学者が、2人の死体を報道陣に見せ、それぞれ20ケ所以上の銃創があった、と説明した。
彼らの顔は、火曜日に彼等が殺される前と同じに見えるように、部分的に修復したと。
骨と筋肉組織をDNA鑑定のため、ワシントンの研究室に送付したと。
木曜日、バグダッド市民たちは、買物に忙しく、市場では、15分毎にテレビに流されたこの映像に関心無いように見えた。
2人が殺されたのは、火曜日、1人のイラク人のタレ込みによる。2人が隠れていると見られる住居に向けて、アメリカ軍は10発の対戦車ミサイルをブチ込み、彼等のAK−47型ライフルは沈黙した。
真偽を較べられるように、2人のムカシの写真も公開された。シャツにタイを結んだクサイと、髭を生やし、伝統的なアラブの頭飾り付けたウダイ。
2人の遺体の映像は、この床屋の客たちによって仔細に検討された。客はイスラムとクリスチャンと半々で、みんな30才以下。
夜9時のニュース番組にこの写真が登場した瞬間、口笛と舌打ちでザワついた。タチマチ新しい支配者、つまりアメリカの発表への、ウワサやウタガイが、怒りのギロンとなって沸騰したのだよ。
「その中、ヤツラは、ヒゲ生やしたデブの死体を見せて、これがサダムだって言うだろうさ」30才の労働者、ゾハイル・マティは言う。「みんな言ってるぜ、サダムたちはスペインに居るって」
ラッタッタ、という祝砲らしき音が響いて会話が遮られた。だが、不愉快なほど近く聞こえたので、客たちは、店の奥に駆け込んだり、床に伏せたりした。
「誰かが死んだってことで、人がヨロコブのを見るなんて初めてさ」理髪店の主人、アジーア・オデイシュは散髪の手を休めず言う。
店の7人の中、3人はアレはサダムの息子たちだと認め、4人は疑っておる。チョット肥り過ぎに見えるし、最初のニュースで聞いたほど焼け焦げてもいない、と1人は言う。
店主は「顔の特徴からして、本人たちだと思う」と。クサイの顔を注意深く眺めて、こう言い足した。「耳がちょっと違って見えるけど。オレだったら、彼等のヒゲを剃ってから一般公開するけどな、その方がワカリヤスイよ」
理髪店の中ではお喋りが続いた。写真の信憑性から始まって、ヘリコプターまで動員した200人のアメリカ軍と戦ったと言われるウダイとクサイの勇敢さ、そして、生死に拘らず、彼等にはもう権力は無いのだから、オレタチはもうナニも心配するこたない、というハナシなど。
死体の写真の合間に、テレビは1990年頃と思われる、ウダイがディスコでイロイロな女たちと踊っているヴィディォを流した。お喋りの中心は、死体から女たちへと切り替わった。
「オレだってよ、銀行からドカンとカネかっ攫っていたら、デケエ車買ってよ、カラシニコフ銃ババーンとやってよ、あんなスケどもイッパイ家に連れ込んでたさ」22才の労働者アキール・ウムランは言う。
ワカモノたちは、アメリカさんがやって来たことをヨロコンでおる。そのオカゲで、多分、もう兵役に引っ張られるオソレも無くなったし、兵役から逃れるために、ウダイに賄賂を送ったりする必要も無くなったからだ。
大統領の2人の息子に、あんな風な死に方をさせるべきでは無かった、という反対意見もある。いかに彼等がイラク人民を抑圧したからとは言え。イスラム教徒が異教者に殺されるのは悲しいことだ、という声もあった。
「オレはヤッパリ、彼等が生きてることを祈るな」店主がボソっと言った。
「ナニ言ってんだよ。オレはブッ殺してやりたいぜ、ブッ殺して!」丁度そこへ来合せた店主の兄ヤセルは、指を自分の喉に向けながら叫んだ。
閉店の時間が迫り、ハナシは、彼等の死亡でホントにイラク人の生活が良くなるか?に巻き戻された。
やがて店の客たちは、今夜最後の死体映像をチラリと見る。ツマリ、毎晩10時を以て送電が停まるのだ。
ウム。ツマリそーゆーことだ。
しかし、ナンダッテ彼等がスペインに居るって言う情報が出まわっておるのか?
「REIGN IN SPAIN」てシャレかよ、は。