U-MAIL(ウンコ通信) 2003/08/28 


えー、昨日のカンボジャの、マラリア治療ニセ薬の話のツヅキ。クランプトン記者は早速特効薬の大メーカーの所在地、中国・桂林に飛んでおる。


「ヘラ鳥ウォッチング」:08/26

「FOR THE POOREST, A NEW BUT EXPENSIVE CURE」

「中国本舗が大量生産で値段カット。ニセモノ作りは割りに合わなくなる」 トーマス・クランプトン

(中国・桂林 発)

現代の奇跡的マラリア特効薬と呼ばれる「アルテスネイト」。しかしこの薬、中国では、2000年もムカシから、解熱剤として伝承されて来た薬草からの抽出薬。

中国の科学者たちによって開発され、何十年も国際的な承認を求めて来たこの薬は、今や世界中のマラリア罹病地域で使用されているのだよ。

世界最大のアルテスネイト製造会社、「桂林製薬」としては、この薬の人気上昇に喜んだり、困ったり。

売り上げはバクハツ的に伸びておる。東南アジアのニセ薬製造者が、これを見逃すハズは無い。

「ウチの製品は全部中国から輸出してますのやけど、ドレがニセモノかを消費者に伝えるテダテはおまへんのや」此処、中国南部広西省に在る、桂林製薬社長のヤン・シャオ・ホア氏は言う。「いろいろ、パッケージ替えたりしてますのやけど、ヤツラは直ぐにマネしよりますのや」

桂林薬品の製品の中でも、「アルテスネイト」は世界のの85%のシェアを誇る。

1987年に、注射薬として政府の承認を取った。純粋に中国国内の会社自体で開発された薬の第1号として。

「中国政府が許可したことで、WHOもこの薬に注目し始め、世界中で認定実験がはじまり、1992年のタイ、を皮切りに、ケニア、カメルーン、ナイジェリア、インド、と次々に承認が下りて、結局30ケ国がOKしたんですわ」

ヤン氏の言う通り、桂林製薬は、この薬品の需要をめぐって、ユニークな役割を果たしておる。

「ヨーロッパやアメリカの巨大企業にとっては、開発途上国のニンゲン救済はモウケにツナガリませんのや。でウチらは薄利多売で、こない大きな市場開発しましてん」

1994年に桂林薬品は、フランスのサノフィ・ウィンスロップ・AMOと提携を開始、工場を国際水準にグレードアップ、「アルテスネイト」の錠剤を、サハラ砂漠以南のマラリア流行地域に売り始めたのだ。

この薬の原草のモンダイ、錠剤の耐性に関する気象条件などが、製造をムズカシクしておる。

活性のある成分が抽出される植物、ニガヨモギ、はヨーロッパやアメリカでも栽培出来るけど、中国広西省、湖南省の山麓の川沿いに野生するモノが量的質的に最高なのだ。

「ドイツの会社が作った化学薬品版は、途上国に売るには高すぎまんね」

ヒトタビ抽出され、包装された「アルテスネイト」は、熱帯地方の薬局での30度以上の高温、70%の湿度に耐えられるようにテストを繰り返す。

12錠入りの錠剤の売り上げは、1997年に100万ケース。それが2002年には、400万ケース。市場はドンドン伸びており、地方販売代理店の注目のマト。

「これは、ヒドイ地域のビンボーなニンゲンのタメのクスリなんや」ヤン氏は言うのだ。
「例えば、今、中国の経済発展はスゴイ。暮らしの水準もグンと上がってますのや。マラリアなんて、ほとんど無いも同然」

変化は、地域的にも、世界的にも千差万別。かつて、この薬の大市場だったタイも、今はほとんど需要が無い。

この2年間で、東南アジアに替わって、サハラ以南のアフリカ諸国が、「アルテシネイト」の主要消費者になって来ておる。

かつてニセ薬が、ビルマや、ヴェトナムや、中国に現れた時は、ヤン氏はイロイロ対抗手段を講じた。しかし今は、自社の薬価を切り下げることで対抗しておる。「昨年は製造量が増えたので、ウチのネダンも8%下げましてん。他社はお手上げですやろ。当然ニセ薬作りも商売になりまへんやろが」


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