U-MAIL(ウンコ通信) 2003/09/05 


拝啓 鎌倉市長殿 (カマクラ・リポート第14号)

えー、「鎌倉のトンデモナイ事」に対するコメントが続々と届いて来る。本日は、鎌倉在住のコピーライター、小野田隆雄氏から。

コピーライターの仕事は、無署名の場合が多いから、ドレがダレの作品か、一般には解り難いかも知れないけど、そのコトバの世間への露出度と影響度は、文学賞取ったナマジな作家どころではない。コピーライター発信のメッセージは、テレビ視聴者の無意識野に深く浸透して、確実に時代風俗を創り出す。いや、風俗ツキヌケて、「時代精神」を形成しているのかも。

たとえば、中年のサラリーマン上司が、配下の若い女性から「好意」を打ち明けられた帰り道、ココロ弾んでヒョイと孤り飛び上がるシーンがウケたサントリーのCM。多分、アナタも憶えておられるでしょうが。 

「恋は遠い日の花火ではない」

そこに付けられたこのコピーは、オトコの心情を見事に掬って見せた。というか、この国の繁栄を支えて来た中年オトコが、今、置かれているアレコレ不条理な状況を1点にシボって、表現しているわけ。

コレが小野田さんのシゴトの一例。

その他たとえば「ゆれる まなざし」「ほほ ほんのり 染めて」などなど一連の資生堂のCMコピー。

ベテラン・コピーライターともなれば、その作品は何千、何万本に達する。ワメのゴトキCM作曲屋でも、長年ヤってれば、数だけは何千本をコナシているのだよ。

ワタクシゴトだが、「ほほ ほんのり」は、ワメが作曲して、つい先日亡くなったジャズの大御所、ゲソさんコト、笈田敏夫氏と女性ヴォーカルのデュエットで歌って貰ったのを想い出す。1970年前後のことだ。

さて、その小野田さんのコメントはマッスグ正満寺のご住職へ向けられておる。


あなたお坊さんでしょ、ひとのタマシイを軽くみないで。

危険な土砂崩れの起きそうな崖地に、地元のひとの反対を押し切ってまで墓地をつくって、売りさばこうとする、その行為に宗教家としての誠意も責任も感じられません。

墓はひとのタマシイのやすらぐ場所です。生きているひとに愛される場所であるはずです。不誠実に強引に墓地をつくって、そこに眠ることになったひとのタマシイはどうなるのですか。かわいそうではありませんか。

正満寺のお坊さんよ、恥しくないのですか。

小野田隆雄  (コピーライター・鎌倉在住)


ウム。直接、坊さんに語りかける角度と語り口、実に清新。まさに少年の眼にマッスグ見つめられた感じだ。さァ、ご住職、これにどう答えなさるのや?  

たしかに、死後の世界を念じて「墓に入るヒト」のココロの安らぎこそが、「墓所」の「売り」でしょうが、「墓地経営」なるコトバに沿って、ミモフタモナク言ってしまえば。
その「安らぎ」を保証出来ない「商品」を売るのは「サギ」ではありませぬか。

ナンボ「鎌倉ブランド」ヒケラカシて、檀家、及び潜在消費者?口説いてみても、「安らぎ」保証されない「欠陥商品」では、売り捌いた後に、クレーム殺到すること必定。

もしかすると、こうした地元の反対が、この「墓地計画」の放棄に至れば、それは結果として、正満寺殿を救済する「本願」になるのかも知れぬ。ここは是非とも市長殿、その方向にて、お寺さんの説得に当たられたし。

鎌倉市住人 桜井 順


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