U-MAIL(ウンコ通信) 2003/09/17
えー、今週の「ヘラ鳥」から2本、ドッチもヒトの「死」に関わった記事をご紹介する。
「SWEDISH ‘NO'TOEURO SLOWS PACE OF UNITY」:9/17
「ユーロ推進派の外相暗殺直後、国民投票でユーロ通貨否決」
賛成 41.8%
反対 56.1%
外相暗殺も、同情票増加にはツナガラなかったわけ。もっとも、暗殺事件発生前に、不在投票済ませていたヒトも多かったのだが。
これは参加国を今の15ケ国から、来年さらに10ケ国を加えて増やしたい「欧州連合当局」にとっては痛手。
スウェーデン以外にも、デンマークと英国が「ユーロ通貨」に反対が現状。
外相とともに現行のスウェーデン通貨「クローネ」廃止論者だったパーソン首相としてはクルシイ状況に。政府としては、向こう10年間、これに関する国民投票はヤラナイと。
投票前には、「賛成キャンペイン」が有力政治家、実業家に支持され、有識者や新聞論説も、ユーロ通貨の採用は、貿易や雇用にインパクトを与えると主張していたのだが。
反対論者は、ユーロの利子率との関係もスウェーデンに不利だし、ソコソコの経済成長を保持しているスウェーデン経済が、欧州の不景気に引っ張り込まれるのはイヤだと。
「オレたちは、ヨーロッパと取引してもイイけど、あんまり近くに寄りたかないのさ」
ウム。ヨーロッパもタイヘンじゃ。海の向こうのヒトリヨガリ大将との関係も考えなきゃならないし、ドイツやフランスにデカイ面されるのはオモロクナイ、ということもあるしなァ。イタ公とドイツ野郎のノノシリ合いもちょっとしたオペラだったし。
平和ヒトリボッチは気は楽だけど、明日が見えないってのもコワイなァ。
「IN DEATH, A LAST FIGHT FOR FARMERS」:9/17
「WTOのグローバリズムに“死”を以て抗議した韓国農民リーダー」
今回のメキシコ・カンクンでのWTO会議に出発する寸前、韓国農業リーダーの李サンは、自分の林檎園の裏山に登り、妻の墓を清めた。
そして先週水曜日、55才の李サン、今度はWTO会議場の外に築かれたバリケードの上に登ると、手にしたスイス陸軍ナイフで、自分の心臓を突き刺したのだった。
裏山の墓から彼が最後に見た景色は、つつましい平屋のレンガ造りの自宅と40エーカーの農園。ここで70年代、李サンは都会の学生たちに、「土に還れ」と教えていたのだ。
当時のテレビ・ドキュメントが残っているが、学生たちに彼が教えたのは、林檎の新種の栽培、新しい灌漑の技術、新種の牛の育成、などなど、韓国の田舎に経済性の高い農業を普及しようという努力だった。
4年前、抵当に入ったこの農場を、彼は手放していた。
「今だって、土地はドンドン売られて行く。食糧の輸入が増えれば、土地はもっと売られてしまう」死んだ李サンの隣人は言う。「李サンは農業を救おうとして自殺したんだよ」
ソウルとかNYとかの別世界に住むヒトから見れば、李サンは韓国の時代オクレの象徴と映るかも。しかし、こうした地方コミュニテイの中では、地方議員を3回も務めた李サンは、農業防衛の最後の主流だったのだよ。製造業が王様になってしまった、この2世代ばかりの時の流れの中で。
今、この地域に入る橋を渡るクルマからは、白と黒の旗が見え、そこにはこう書かれておる。
「故・李先生、愛国者にして英雄、我等はアナタの意志を継ぐ」
「我等はWTOのグローバリゼーションに、断固反対する」
農民を守るために、韓国は142項目の農産物に100%以上の関税を課している。
たとえば、韓国の消費者は世界市場の5倍の価格でコメを買っているのだ。
そして、その一方で、韓国のケイザイは、クルマ、造船、ケイタイなどを、世界に売り捌くことで成り立っておるのだよ。その経済力は今や、世界第12位。
しかし、この輸出を守るためには、食糧の輸入面で譲歩が必要となるワケだ。
李サンの30年間の活動の新聞からのスクラップ・ブックを娘さんが披露して呉れた。
ソウルで始めた活動を、李サンは世界の各都市へ広げて行ったのだ。
1992年に、李サンはジュネーヴのWTO本部で、同じスイス製のナイフを自分の胃の腑に突き立てている。この2月には、もう一度ジュネーヴに戻って、同じ場所で、1ケ月のハンガー・ストライキを実行した。総計で30回、彼はハンガー・ストライキを実行しておる。
「李サンにとって、一番大事だったのは、農民、両親、3人の娘だった」と李サンの姉は言う。
その娘の一人は、9月28日に結婚する予定だった。しかし、喪に服した彼女は結婚を延期した。「父のことを、とてもとても誇りに思います。父は自分のためではなく、祖国のために自らを犠牲にしたのです」
ウム。スゴイ。日本の農協にはこんなヒト居らんやろ。儒教に染まった人生、と他人事みたいに、カンタンに評するわけには行かない。
基本的には、同じモンダイ抱えておるわけや、ニッポンも。
「信じられるのはオコメだけ、クルマが食えるか、半導体が食えるか」というのは、1989年に野坂さんと「農協」のCM作った時のメッセージだった。
状況はナニヒトツ変わっては居ない。「ドースル、ドースル、あなたなら?」というコピーもそのまま使えるやんけ。は。