U-MAIL(ウンコ通信) 2003/10/27
「ヘラ鳥ウォッチング」
えー、マハティール発言の余波はスゴイ。Op−Edのコラムニストたちも、ヒトコト言っておかねば、コケンにカカワル、ってんでイロイロ。NYタイムズのベテランが、マハ氏の立場心情を忖度しての味のあるコメント。このヒトは、経済分野のプロ。9・11テロに続いて、エンロン事件が起きた時、「アメリカの未来にとっては、エンロン事件の方が、9・11テロより重大だ」と言ってノケタご仁。
「MAHATHIR'S STRIDENT BALANCING ACT」:10/23
「マハティ−ルの民族バランス・サーカス」 ポール・クルッグマン
(ニュージャージー・プリンストン発)
マハ氏の「ユダヤ人が代理人使って世界を統治しておる」との発言に対して、ホワイト・ハウスは直ちに「悪意に満ちた意見」と非難した。
モチロン、マハ氏の意見はユルシ難い。しかしこれは、計算済みの言動なのだよ。マハ氏はヌケメのない政治家だ、(小ブッシュのゴトキ)バカでもチョンでもない。
今、ナゼ、彼がアンナコト言ったのかを理解することは、ナゼ、アメリカの外交政策がアンナに下手糞なのかを悟るチャンスでもあるのだよ。
権力濫用のソシリは免れないが、マハ氏は、目先のよく利くイスラムのリーダーであることは衆目一致。マレーシアは誰もが夢見る成功物語のモデル。記録的な経済成長、教育レベルの向上、総体的近代化。イスラムが大多数を占める国としては例が無い。
モンダイとされる、攻撃的28文字以外のコトバを、よく読んでみる必要あり。その大部分は、イスラムへの批判、特にその聖職者への批判だ。
今回の激しいユダヤへ人への批判について言うならば、タシカなのは、これはマレーシア国内の政治的バランスを取るための、マハ氏のテクダだったということ。
1997〜8のアジア金融危機の際、彼はアメリカ政府とIMFの指図した方針に従わず、逆にこれを西欧の投機家の陰謀と非難し、資本の流失にマッタを掛けた。これは西欧のエコノミストの多くから非難されたのだよ。
トドノツマリ、彼の経済政策は正しかった。マレーシアの金融危機は、他のアジア諸国とは違って、傷は浅く、回復も早かったのだ。
当時のマハ氏の行動を見れば分かるように、彼の声高なレトリックは、実際には、国内政治のテリケートな「バランス取り」の一部なのだ。マレーシアはイスラム(人種的にはマレー人)が大多数だが、実業界は少数の中国人が握っていた。
経済成長を保つため、マハ氏は中国少数派の繁栄を見守るしかなく、しかし、民族的テンションを避けるために、コトバ的にマレー民族にオベッカ使わねばならなかったのだ。
そのバランス取りの一部として、マレー系労働者にイイ職業をリザーブしたり、マレー系経営者に特別のビジネス・チャンスを与えたりしたのだ。
マハ氏がIMFの権威に立ち向かったのも、それが、彼のこうした経済システムを支えているクロニズム(血縁主義)を乱すことを怖れたからなのだよ。
先週のマハティール氏の言動は、その線上に在るのだ。アメリカ政府はマレーシアを、対テロ戦争の重要なパートナーと言明しておる。
マハ氏は、国内的な弱みを隠すために、本来はイスラム改革が主眼の演説の中に、西欧に対する憎しみのコトバを挿入しなければななかったのだ。それは、東南アジアのイスラムの間に、反米、反ユダヤ感情がいかに高まっているか、の証明でもあるのだが。
イラク戦争と、イスラエル・シャロン首相へのゼッタイ的な支持のオカゲで、ワシントン政府は、9・11テロ被害への世界の同情を失い、イスラム世界での評価もサイテイに落ち込んでしまっている。
対テロ戦争を、対イスラム戦争と考えているわけでは無いのに、そう思われてしまうように、今、アメリカは行動しておるのだよ。
ウム。ナール。マレー系 VS.中国系のナンヤカヤ。マレーシアがシンガポールと分離した際の要因もコレだった筈。クルッグマンの目ン玉は冷静に事実を見抜いているようだが。