U-MAIL(ウンコ通信) 2003/11/21-1
「ヘラ鳥ウォッチング」
えー、チョイとヒト月後戻るけど、わがクリストフ君、先月アラスカに飛んだ。開発の賛否をメグってモメていた例のアラスカ油田の実態を探るためだった。3本ばかりの記事の結論はペンディング風に終っており、副産物として「エスキモー式ダイエット」のハナシでお茶をニゴシた。ワメもソッチの方をご紹介致したのだが。
10月半ばに至って、小ブッシュは、「アラスカ油田開発見送り」を表明した。共和党内部でも、環境への配慮が強くなったためと見られる。
で、オソマキながら、9月のクリ君のアラスカ探険記を、テキトーにご紹介する。
「A GRIZZLY'S-EYE VIEW OF THE LAND ABOVE THE OIL」:9/4
「熊瞰図による北極圏油田の現実」
ニコラス・D・クリストフ
(アラスカ・北極国立野生保護区・発)
ワイは今、アメリカで最も野生的な、ツンドラ上のテントの中に居てる。ここは、エスキモーとインディアン以外、誰も足踏み入れたことの無い北極最後の未開地なんよ。
この未開地のウンメイは、環境モンダイ論議中心に、ワシントンの政治家どもの手に託されておるのや。
油田開発賛成派に言わせれば、保護区擁護訴える連中は現場を見に来ようともしないと。しかし、アソコは凍結した荒地に過ぎないと主張する彼等自身にしても、ヒコーキの窓からチョイと見下ろしただけ。ツマリ鳥瞰図派やんけ。
そこで、ワイは1週間ばかり、この地を歩き回ってみることにしたのや。雪でも平気なブーツ穿いてリュック背負って。
衛星デンワのバッテリー切れ注意しつつ、この地の真実をお伝えしよう。油田開発へのワイ自身の意見カタメルべく。
ザット言って、此処はコワクもないし、キレイでもない。涯しないツンドラと山並みと、河と小川。樹木は皆無。ツマリ住むにはキビシイ場所。ある朝テントを出たら雪なのだ、9月と言うのに。風はツメタイ心はサムイ。
ヒトの歩く路など無い。だが、カリブー(森トナカイ)や灰色熊の足跡は至るトコロに有る。ルイス・クラーク探検隊当時のまんまだ。
この地のエスキモーが開発を望んでいるのはタシカ。より良い教育、より良い仕事、より良い生活が、油田によってモタラサレル、と信じているからだ。何千マイルも離れたところからナンノカンノとイチャモンつけるアメリカ環境保護派にハラ立てているムキもあるのだよ。
しかし、グイッチン・インディアン達は開発反対。彼等のブンカであるカリブーの繁殖が危なくなるからだ。
カロライナ州と同じ1950万エーカーの保護区の中で、油田開発されるのは沿岸の150万エーカーだけ。しかしインディアンの生活支える12万頭のカリブー群は、その沿岸地方に棲息しているのだ。彼等のシンパイはワカルけど、でも多分、開発はカリブーに影響無いとワイは見ておるのや。
だが、チョイ待ち。テントの外には霰が降り始め、ワイの指は凍りつつある。ゾクゾクするのは寒さだけやない。ここはアメリカ最後の未開地なんや。此処を開発すれば、ワイ等の子孫は、この国の創世期のスガタを自分の目ン玉で見るチャンスを奪われてしまうことになる。
ここでは王様はカリブー、リュック背負った単なる侵入者として、ココラを歩き回るのはチョイと感動的でもある。
ワイが昼飯の支度していると、1頭のデカい灰色熊がヒョイト覗きに来た。そしてユックリと歩み去った。
ワイは熊除けスプレーを携帯しておる。この未開地の伝説的な名パイロット、ウォルト・アウディ氏が教えてくれた。「万一、熊に襲われたら、先ずこのスプレーをテメエのツラにブっかけろ。そうすりゃ、コワイ相手が見えなくなるぜ」
此処はニンゲンがオチョッカイ出す場所じゃないってことかも。北極保護区は特殊な場所なんよ。