U-MAIL(ウンコ通信) 2003/12/04
「ヘラ鳥ウォッチング」
えー、あのモーリン・ダウドのオバハンが、今回はチョット鋭いコメントを出しておる。ワメは、このオバハン、あまり買ってないのやけど、今回はイタク同感。先日の中野純氏の「逢魔が時」にもツナガル話やねん。カイツマンでご紹介申しあげまする。
「AT GROUND ZERO, THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF MEMORY」:12/03
「グラウンド・ゼロは、キラキラ・テーマ・パークじゃないのよ」 モーリン・ダウド
(ワシントン・発)
すべてキレイ。キレイでヤサシイ。ヤサシクてナメラカ。ナメラカでキラキラ。キラキラでピチャピチャ。
グラウンド・ゼロのメモリアル・コンペに参加した8ツのデザインが、吊り下げられた沢山のローソクと、半透明のガラス管と、プールの反射と、9・11の犠牲者たちの笑顔の輝きで、あの悲劇を乗り越えようとしている。その点では目的を果たしているのかも。
でも、それは、あのオソロシサをも乗り越えてしまっているの。悪とはカンケイなく見えるこの表現は、あの残虐さを消してしまっているのよ。光や水のキラキラ遊びにフケリ過ぎて、肝心のイノチの暗闇がドッカ行っちゃってるのよ。
マンハッタン南端(LOWER MANHATTAN)開発会社のメモリアル・コンペのファイナルに残ったデザインが、今、世界金融センターの「冬の庭園」で展示されている。
「デザイン群は、どれもオッソロシク、オッソロシク口当たりがイイ」ウォールストリート・ジャーナルのエリック・ギブソンが書いてる通りよ。
これじゃ、まるで珍しい温泉場か、楽しいショッピング・モールか、アロマセラピー・センターみたい。アルカイダやビンラディンのアメリカへの悪意の醜さなんて、ケも感じられないわよ。大量虐殺イメージが、カンキョー建築の中に抹殺されちゃっているってか。
このデザイン群は、アメリカのガキッチョ精神ブンカだわよ。ワレワレの哀しみも怒りも、センチメンタルに処理されていて、巨きな歴史的、道徳的なイミが消し飛んでいるわ。ハートとソウルがブツカリ合う激しい荒々しいナマな感情はドコにも無い。
現場のヒン曲がった鉄の柱が十字架になっていた、あの原点に戻らなくちゃ。あのアタック後の数ケ月、何万人のアメリカ国民を、グラウンド・ゼロに引き付けた、あの消しても消し切れない戦慄はドコ行っちゃったの?
他の「メモリアル」を考えてご覧なさいよ。
あのパールハーバーに沈められた「アリゾナ号」は62年後の今も未だ、海底からアブラの泡を吹き上げているのよ。(ワメは丁度40年ムカシ、ソコへ行った。アリゾナ号の真上に作られた記念館の壁のメタル・プレートに名前刻まれた乗組み員の遺体が、引き上げられず、そのまま海底に残されていることにフシギな気分をオボエタのをオボエテおる)そして爆破された尖塔をソノママに再建されているベルリンの教会。どれも近代史の証人となって残っているのよ。
このクダラナイ9・11メモリアル・デザイン群は、何も語っていないわ。
ホワイトハウスと同じだわ、このデザイン群は、ナニが悪かったのか確かめようともせず、今後の方角もナニも示していない。
ナゼ、アメリカはあのテロ攻撃にアンナに弱かったのか?敵のテロリストってイッタイ誰なのか?ナゼそいつ等はワレワレを憎むのか?ワシントンのホロコースト博物館見たって、反省も教訓も起きやしないけど、9・11はその両方を突き付けて来てるのよ。
このデザイン群には、「闇」が無い。現実としても、比喩としても。この粉々になった墓場から死も終末も引き出していないじゃない。
昨年、コロンビア大学での討論会で、最初にプランを提出した建築家ダニエル・ライブスカインド(彼の案は採用されなかったのだが)との論戦で、ザ・ニュー・パブリック誌の編集長レオン・ウィ−ゼルターは、こう言ったのよ。
「あの場所自体にトテツもないパワーが有るので、1本の星条旗とスッカラカンの空間だけで、もう充分なのだ」
「そりゃ、マンハッタン南端を広大な霊廟に変えてしまうってのはマズイかも。でも新しがり建築のテーマ・パークにしちゃうのはもっとマズイ」
現在の世代に、哀しみとショックを乗り越えたと感じさせるために、メモリアルをお陽さまキラキラ風セラピーにする必要は無いのよ。メモリアルは、次の世代への追体験と道案内となるべきなのよ。彼らに、この地球をエグったココロの闇について理解させるためにも。
ここでも、テーマは「光」vs.「闇」だ。
先日、「逢魔が時」の大書評で、クドクド述べたから、これ以上言わない。
よーするに、現代シホン主義は目ン玉に映る世界だけを、現実、真実、と思い込んでおるのや。「光」を成立させている「闇」をエンガチョしてしまったのだよ。
ユング式精神ブンセキ世界では、このカンケイは特に大事。「意識」を支えているのは広大な「無意識」の奈落なのだよ。ココとツナガっていないと、ニンゲンは不安になり、カンタンに発狂するわけさ。
無学な小ブッシュ式アメ公にはソコントコが全然ワカッテないのだ。9・11後、グラウンド・ゼロの跡地をどーするか、について、安藤忠雄氏が出した「緑の円形墳墓」案は、マンハッタン南端会社当局(というか港湾当局というか)にはチンプンカンプンだったらしい。結局はまたまた、時代オクレのキラキラピカピカタカイタカイ建築案が採用されてしまった。小ブッシュ式アメ公にはテツガクってものが皆無なのだよ。コマッタモンダ。