U-MAIL(ウンコ通信) 2003/12/11-2 


えー、そこで、今、「イラクとニホンとアメリカ」について考えるためには、イラクに関する知識と情報と腰据えた思索が不可欠。今春の慌ただしい何回かのイラク往復以来、ジーッと静観のカマエにて、思索深めておられる一水会代表の木村三浩氏の最近のHPから、ポイントを拾い、ワメ流にて、ご紹介致す。


★「キムラ・イラク・レポート」12/3 〜木村三浩HP 《今週の一言》より〜

奥参事官、井ノ上書記官、お二方の死を、自衛隊派遣のお膳立てに利用するな

「インサイドライン」編集長、歳川隆雄氏の説:

奥参事官は、CPA(米英占領当局)の前身であるORHA(アメリカ復興人道支援室)に籍を置いていたために狙い撃ちされた。井ノ上書記官は巻き添えを食った。

ORHAは旧イラク共和国宮殿に仮事務所を設置。その代表のガーナー氏がバグダッド入りしたのが4月21日。23日にバグダッド入りした奥参事官は、米国からの依頼により日本から派遣された人材と目された。

英国大使館の奥参事官は、ガーナー代表の下で、国際支援担当の英国陸軍の代理を務めていた。つまりイラク反米武装勢力から見れば、協力者と言うより、完全に米英軍事行政機関の「一員」。

モンダイは、2人の死への感傷的新聞報道がエスカレートして、「テロリストを懲らしめてやれ」という社会風潮が作られ、「自衛隊派遣の追い風」として活用する演出が出てくること(産経新聞のゴトキ)

復興支援イコール自衛隊派遣と言うのはオカシイ。復興支援を行なうツモリならば、アメリカの占領体制に組み入れられるカタチではなく、直接イラク人に協力すべき。

「自衛隊」の本質から言えば、自己完結型の、戦闘能力持つ組織に対して、復興支援行なわせるのは筋違いだ。確固とした軍として行くならばまだしも、工事現場に労働者送り込むような扱いをするのは、「礼」を欠いておる。

イギリスの民間調査機関とバグダッド大学学生による、イラク全土にわたる世論調査の結果:

米英連合軍を 全く信用しない 57%
殆ど信用しない 22%
非常に信用する 8%

今後の政体 民主政府を求める 90%
強力なイラク人指導者を望む 71%

「強力なイラク人指導者」と言えば、なんたってサダムフセイン大統領。彼に対する復活期待の声ではないか?


今回のような悲惨な事態を避けるためには、あらゆる情報の入手に全力を尽くすべき。

情報入手には、地元民との人的交流不可欠。日本の外交はこれがダメ。私が、12年間イラク人と付き合った経験から言えば、イラク人、アラブ人と信頼関係を築き、そのホンネを知るための3ツのポイントは:

1)イラク人は、全面的に相手を信じるまでに時間がかかる。

2)親切ではあるが、それが本音とは限らない。

3)抵抗運動に携わる人々や、バース党関係者にはとりわけ、革命家的素質がある。

1),2)について。奥氏の遺した「イラク便り」を見ると、井ノ上氏とふたり、心から一所懸命に、イラク復興に尽力されていたと思う。しかし、イラク人は元来、非常に誇り高い民族。こちらが何か施しをし、それを相手が笑顔で受け取ったからといって、相手が心底からそれを望み、こちらに感謝しているとは限らない。

日本人の単純未熟なトコロとして、こちらが親切心や好意をもって接すれば、相手はそれに好意をもって応えてくれる、あるいは何かあった時に助けてくれるかも知れない、と考えてしまう。世の中それほど甘くはない。

私の経験から言えば、お互いのギャップ埋めるには、あちらの本音を読取り、冗談でもいいからそれを指摘し、「図星だ」と言わせること。決して悪いニンゲンではないのだが、メソポタミア文明以来の長い激動の歴史の中で培われたものだろう。

民族も宗教も混交しており、西欧列強による植民地支配を受けたこともあり、そうした歴史が、日本人とはかなり異なるシタタカさを身につけている。

3)について言えば、ウダイ、クサイ、ムスタファ3氏に象徴されるように、最後の一線では徹底的に戦う姿勢を持っている。

*イラク人が、日本人に抱くイメージとしては、クルマや電気製品など「ハイテク産業」の他に、もひとつ、「サムライ精神」がある。日露戦争の勝利や、アメリカに喧嘩を売った大東亜戦争などを、高く評価してくれている。イラクにも、サラディンやネブカドネザル2世など歴史的英雄が居る。そうした互いの歴史や価値観を認め合い、「男同士の付き合い」「サムライ同士の付き合い」と言う意識をもって付き合うことが大切。


日本外交官2名の殺害に関して、もひとつ言えば:

米軍は「アイアン・ハンマー作戦」と称して、ティクリットの町を無人化するべく、無差別虐殺攻撃を繰り広げている。そうした中で、よりによって、そのティクリットで復興会議を開催する無神経さは一体ナニカ?抵抗勢力を挑発している、と受け取られても仕方ないだろう。抑圧された怒りの矛先は、当然、米兵以外の「狙いやすい」対象、つまり丸腰の外交官、ジャーナリスト、NGOメンバーなどに移行している


AP通信によると、11月24日現在、イラクでの米兵死者数は432人。身体の一部を失ったり、植物状態になった重傷者の数は、3000から5000人と。

11月20日、米軍発表では、拘束中の外国人非戦闘員の数は307人。内訳は、シリア人140人、イラン人70人、その他少数の、イエメン人、チャド人、サウジ人、パレシチナ人。

一方、イラク人の拘束数は11000人、と。見込み捜査や、職務質問などで、反抗しただけでも、身柄が拘束される。占領軍の無法ぶりを示す数字。


私は最近、9・11から続く、アルカイダなどのいわゆる「テロ行動」は、「第3次世界大戦」の様相を呈していると考えるようになった。ブッシュの言う「これは新しい戦争だ」というのとは違う概念の「戦争」だ。

ブッシュは「戦争だ」と言いながら、実際にはジュネーヴ条約の戦争捕虜規定を逃れるために、単なる「犯罪」として扱おうとしている。「新しい戦争」と言いつつ、相手を「テロリスト」として対処している。

だが、「テロ」と矮小化するのはムリな状況だ。「戦争」として捉えなければ、情勢を的確に分析出来ない。

「戦争」とは、「他の手段をもってする政治の延長」である。戦っていても、ウラでは、最終的な外交ルートが確保されていることが多い。

しかし、「テロとの戦い」と規定してしまうと、「テロ=違法なもの」として合法性が剥奪され、「テロリスト」と呼ばれる側は、一切が封じ込めの対象と認識される。単なる「犯罪」として扱われ、その背後にある意図、要求、そして「正統性」は評価の対象にならなくなる。

「力づくで封じ込めていく」ネオコン的発想ではなく、様々な交渉の回路を確保しない限り、「第3次世界大戦」が繰り広げられ、日本も「自衛隊派遣」を通じ、そこに巻き込まれていく可能性が非常に大きい。

そのためには、「アメリカが世界の富を収奪していく」という世界観、「略奪国家」としての実体を反省するとともに、「自由と民主主義を世界に広める」という驕りからの脱却を図らなければならない。

依然としてアメリカは、干渉・介入などのマッチポンプを世界の至る所で繰り広げているのだ。ホンキで世界平和を実現しようなどとは思っておらず、軍需産業の潤いのみを画策しているのだ。


ウム。地にアシ付けた、的確な指摘ばかりだ。

自衛隊派遣メグっての、政府周辺のイイワケ聞いてると、ホントイヤになるぜよ。フクダナニガシのもの言いなど、ナゼカ、昔のシナの大奥に仕えた「宦官」のイメージが重なって来るのだよ。


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