U-MAIL(ウンコ通信) 2004/01/16
おお、「ネムレナイト」 〜ワメ的大劇評〜
「大人の麦茶」 第4杯目公演
作・演出/塩田泰造
於・新宿シアター・モリエール 1/15・マチネ所見
4年前が初演、ということで、どのくらいリメイクされたのか知らないが。才気アフレるタイトル「ネムレナイト」がピッタリの世界。ミソはコノ世とアノ世のアイダに、モラトリアム・ユーレイ・ゾーンを設定したこと。この設定がウマク効いて、シアター・モリエールに相応しい傍白場面がウケていた。
この芝居を観てない方には、ナンノコトヤラだが、舞台は寺の書院の一景ポッキリ。そこに展開されるのは、経帷子着た未成仏?のイケメン・ユーレイたちと、そのユーレイと愛憎因縁および肉親因縁で結ばれたこの寺の若い住職と透視力備えたその妹《椿》の織り成す、アソビゴコロにミチミチた、上等ドタバタ・純心リリック青春群像ドラマ。
因縁ネットから一人外れた登場者が、この寺近くの土砂崩れで生死の境に在るモラトリアム・ユーレイ少女で、ハナシは飛ぶが、これはよーするに八雲の「耳無しホウイチ」の、経文書き忘れたミミの部分がつまりこの少女なのだよ。宙ブラリンのこの少女はユーレイたちとも、透視力備えた住職の妹ともコンタクト取れる。まァ一種の舞台回し役か。
そしてサスペンス・ストーリーとしては、この書院で夫追って水銀服毒自殺した若い後家の死因めぐって、乗り込んできた捜査一課の凸凹コンビ刑事と、疑い掛けられた住職とそれを守ろうとする妹《椿》とのヤリトリがテコになる。《椿》がホレたオトコは皆不慮死を遂げてユーレイになるというシバリが刑事にホレた《椿》に利いてくるエピソードも。
ラブ・ストーリーとしては、この作者のいつもの手管、ビンゴ式ハレホレ・ハプニングが目まぐるしく展開する。これがつまりはドタバタの果てに「愛」の仁丹効果を謳いあげる「オトナの麦茶」の真骨頂と申し上げたく。2杯目飲んだだけの当てズッポーで言うが。
オープニングとエンディングに、「川柳」と「般若心経」を配し、サスペンス箇所には、効果的なME、SEを当てるなど、観客マッサージの手管は万全。キャスティングは、一部《麦》組と《茶》組とダブルになっており、ワメの拝見したのは、《茶》組でありんしたが、老眼のセイか、登場者全員、イケメンに映りましてん。やはり役者は顔でっせ。
無いものネダリヒトツ申し上げれば、役者サン全員、軽くソツなく、お客サンと等分に自分も楽しんでおるのは、まことにケッコーなのだが、チョイと血液サラサラに過ぎるこのアンサンブルの中に、芝居の進行妨げるガンというか、自我のカタマリのごときキャラひとつ、投げ込んでみたく。「麦茶の底の義眼」と言うか。ハハハハ。