U-MAIL(ウンコ通信) 2004/06/29
えー、ほぼ30年遅れで、ニッポンの建築バブル追っ掛けている中国。それを食い物にしてる西欧建築家。カーン氏の記事ネタに、ワメ式現代建築バブル批判のナンヤカヤ。
「ヘラ鳥ウォッチング」
「IN BEIJING, THEATER IS FLASHPOINT OF A DRAMA」:06/16
「中国の建築バブルを食い物にしているフランス建築家は、あの崩落事故起こしたドゴール空港の設計者だ」
ジョセフ・カーン
(北京・発)
カンタンに言ってしまえば、今、中国国民の税金が、共産党国家の威信賭けた北京大改革建築プログラムに、それこそ湯水のようにジャブジャブと使われて居るのや。
そしてそれは、一群の「有名外国建築家」のウハウハ仕事になって居る。
いずれも、完成シメキリは、2008年の北京五輪だが、今、進行中の北京チッチャカメッチャカを、予算額とウハウハ外国建築家の国名を並べてご紹介すれば:
★北京オリンピック・スタジアム(スイス)5億4300万ドル
★北京空港(イギリス)19億ドル
★中国中央テレビ(オランダ)7億3000万ドル
そして、ドゴール空港の崩落事故で有名になった、フランスの建築家ポール・アンドリュー氏(67才)が手がけているのが、
★北京・中国国家大劇院
★上海空港
★広州空港
★上海オペラハウス
などなど。
で、北京五輪のメダマのヒトツ、天安門広場近くに建築中の「中国国家大劇院」だが。
ある人はこれを、地球を赤道でブッタ切ったようだと言い、ある人は水晶の海に燐光タマゴが浮いてるようだと言い、中国の有力建築家の一人は、灰色の棺を覆うガラス・ドームは「乾いたウンコ」みたいだと。
一般的なアナロジーとしては、「焼き芋」。
たしかに、紫禁城の屋根越しに撮られた写真見れば、この設計の美的センスはギモンと言える。シロオウト目にも、まったくソグワナイ。
「トランプの城が崩れるように」押し潰されたドゴール空港の事故に関して、アンドリュー氏はデンワ・インタヴューに応じなかったが、中国「国家大劇院」監修委員会のスポークスマンは、「彼を信頼している、パリ空港の事故はカンケイ無い」と。
この事故を捉えて、アンドリュー氏に異論を唱える国内建築家は居らんのや。ヨースルニ、この人選は、中国院政の主、江沢民のサシガネなのだよ。
ヨースルニ、「付加価値」としての外国建築家の起用は、「新奇サのための新奇サ」が売りなのや。北京は今、その「珍奇サ」の大実験場なのやねん。
「北京国家大劇院」は、2500席。大劇場の他に3ツの小劇場を内包して居る。その上に、支柱の無い「アブク」のごときガラス・ドームを載っけたところは、1996年完成の東京・有楽町の「国際フォーラム」のツクリにソックリやんけ。
東京都庁の跡地に建った「国際フォーラム」の方は、ラファエル・ナントカと言うイタ公建築家の設計だが、実に「使い勝手のワルイ」劇場なのだよ。開館直後の1997年2月、ワメは和田誠サンと、「マザー・グース」阪神大震災チャリティ・コンサートで使ったのだが、音はヒドイ、楽屋はセマイ、トイレは少ない、エスカレーターは押し合い圧し合い、危険キワマリナイと言うシロモノ。マサにお役所の好きな「粗大ハコモノ」の典型やった。
で、このアンドリュー氏は、日本でも、関西国際空港のプログラムに参加、「なにわの海の時空館」なるガラス・ドームで注目を集めたのや。これも地球を横に2ツ切りにしたと言うか、ガスタンクの上半分が岸辺にポカっと浮いていると言うか、ホネ無しガラス・クラゲやねん。ええと、この手の「球体ホネ無し構造」の元祖は、たしかバックミンスター・フラー博士とか言うヒトではなかったか?ワメのアヤフヤな記憶では、たしかそれは、博士が船に乗っていて、船尾から航跡の泡の生成を眺めていての着想だったと。ウム、ジオテックとか呼ばれるシステムでは無かったか?随分ムカシのハナシのように思うが。
ま、いずれにせよ、実際には「貧富の格差」を益々広げることになる、こうした「政治のプロパガンダ」としての建築ブームの「構造」に関しては、この1冊、今年3月刊の、隈研吾「負ける建築」(岩波書店)が、トコトン観察、分析、考察されて居る。例えば、「広告代理店」が、1980年代日本のバブル建築ブームの仕掛人だった、なんてこと、ワメは目ン玉から鱗ボロボロやで。
「広告代理店」は販促キャンペン屋としての参加ではなく、建築プロジェクトの企画・立案の段階から、「主役」として、敷地の選定から建築家の選定に至るまで、取り仕切って居ったと言うのや。大短絡思考で言えば、遠く「ケインズ信仰」に発するマネーゲームの主戦場だったのや、80年代の「建築プロジェクト」は。
「広告代理店」は、コストの掛からない「ゼネコン設計部」に、平面計画を作成させ、そこで「有名建築家」とコンタクトを取り、「designed by」の署名を付加価値としてクッツケルわけや。
この場合、建築家に一番必要とされる才能は「有名である」こと。さよ、当時ヒトニギリの建築家の名前がヤタラ世間に流れたよね。TとかKとかIとかMとか。
そして、バブルが崩壊し、マネーゲームが終了した後も、この傾向は継続、いやムシロ進展して居ると。今や建築設計とは、マーケティングの一分野として、代理店業界の中に併合されつつあると。
そして、このブームは、1920年代のNYに見られた摩天楼ブームとは違って、なんの新しい建築コンセプトも無く、俗に「ポストモダン・スカイスクレーパー」と呼ばれる、外装デザインだけが個性的な、「均質空間」が売りのオフィスビルの乱立に向かったと。
さよ、それがワメの言う「末期シホン主義」現象のヒトツの典型、そして、その典型の典型が、あの、9・11・テロ・アタック受けた、WTCセンター・トゥィン・ビル、ということやんけ。
隈氏のロジックによれば、現代、「建築」が社会の敵としてキラワレル要素は:
1) 巨キイコト
2) 資源ヲ浪費スルコト
3) 取リ返シツカナイコト
ウム。ハナシ北京から大きく飛んだが。この3項目をソノママ中国の一種異常な建築ブームに当て嵌めれば、現代の「政治」と「建築」のカンケイ及びその副作用は一目瞭然。
六本木ヒルズもシオサイトも、同じ線上のシロモノ。ワメの実感は特に3)にあるのや。