U-MAIL(ウンコ通信) 2004/11/29
えー、モンダイのクリストフ君コラム3本目。これについては、U-MAIL 07/20-2 の「オドロクベキ《福音主義》ベストセラー小説」をご参照下され。
「ヘラ鳥ウォッチング」
「BETTING ON APOCALYPSE」:11/25
「世界の終わりに500ドル賭けようぜ」 ニコラス・D・クリストフ
(紐育・発)
不信心なリベラルさんよ。アンタは、今は末法、ヒドイ世の中じゃーと考えてるんだろ?
なに、《キリスト再臨》を待ってりゃイイんだよ。は。
今、アメリカの成人向けベストセラーを続ける「見捨テラレシ者ドモ」(LEFT BEHIND)は、イエスが再臨し、改心キリスト教徒(BORN AGAIN)以外のスベテの者を殺戮する情景を熱狂的に描き出す。
世界中のヒンズー、イスラム、ユダヤ、無神論者、そしてローマ・カトリック、ユニテリアン派は、スベテ、永久の劫火の中に投げ込まれるのだよ。イエスがその御手をチョイと動かせば、ヤツラは阿鼻叫喚の地獄の底にマロビ落ちるのや。ああ、ナンてドキドキさせる情景なのだ。
仮にサウディ・アラビア人がこのシリーズのイスラム版を書いたとしたら、ワレワレアメリカ人は、トンデモナイ話と怒るだろう。物事は同じ標準で測るべきでは無いかね。
ティム・ラハイエと、ジェリー・ジェンキンス、このシリースの共同執筆者たちは、7月に、オレが、このシリーズについて書いた直後に、e−mailで、イチャモン付けて来たのだよ。
あの本は、非キリスト者の殺戮を祝福するものではないと。ただ、《聖書》のキビシイ真実を描いたに過ぎないと。
「ワレワレは《聖書》を、こういう風にしか読めないのだ。これはワレワレの試練的、攻撃的、対立的メッセージだ」と。
ウム。そう言われれば、オレは忘れてたぜ。イエスが、劫火の中で、良きサマリア人からガンジーまでを、いかに焼き殺そうとされたかの聖書の一節を。単に彼等が、改心したキリスト教徒ではない、という理由だけで。確かにそれは《ヨハネ伝》にあるのやねん。
しかしだね、オレはパキスタンやイラクの僧院(モスク)で、イスラム原理主義者と一緒に座って彼等の反論を聞いたことがあるのやで。彼等とても、自分たちの神のコトバに従っているだけなんよ。
さよ、オレはよく、青州組(BLUE STATERS)は福音原理主義者をバカにしてはイケナイ、と書く。オレのコラムが、赤州組(RED STATERS)をアタマからバカにしてると、思われかねないことを知ってるからさ。
オレだって福音主義者のイイ仕事はホメルさ。例えばオレが何回もレポ−トした、アフリカ・スーダン・ダルフールでの救済活動。でも「宗教的偏見」については、トコトン断罪するぜ。
信仰に関する対話は、タブーを取り除き、互いの差異にハッキリ言及するべきだよ。
青州組も赤州組も信仰及びこの本「LEFT BEHIND」について語り合う必要があるんちゃう
か?
言っておくけど、この手の「この世の終わりの予言」(APOCALYPSE)については、長いオソマツな繰り返しの歴史があるのやで。
先ずは、「千年王国主義者」ウィリアム・ミラーの大予言。1812年の対英国戦争に参加した農夫、ミラー。この男は、ダニエル書の中の記述から、キリストの再臨の期日を推定したのさ。最初は1844年3月21日。それが外れて、今度は10月22日と訂正。
何十万の人々がそれを信じた。(偶々、彗星が多発したこともあったのや)しかし奇蹟は起こらず、この予言は《大ハズレ》(GREAT
DISAPPOINTMENT)と呼ばれ、信者は離散した
のやねん。
最近の例では、1970年代、ハル・リンゼイが書いた、ノンフィクション・ベストセラー「あの偉大な星・地球」。キリスト再臨を予言したこの本は、1、800万部売れたのや。
そして1989年の、「1988年に奇蹟が起こる・その88の理由」と言うキワモノ。で、今ここに、ボロモウケ帝国としての「見捨テラレシ者ドモ」が、ある。
その宣伝サイトは言う「この著者たちは、ワレワレはこの世の終わりを見る、と考えている」
このサイトを通じて、彼等は考えられるかぎりの膨大な副産物を売りまくる。ケイタイ電話への定期的予言情報、児童書、オーディオ本、画報、ヴィディオ、カレンダー、さまざまな音楽出版物から、月6ドル50セントのクラブ組織まで。
これはモハヤ宗教ちゃうで。「終末ブランド大商売」やんけ。
もし、ラハイエとジェンキンズが、ホンキで「世界の終わり」を信じているのなら、なぜ、莫大な印税を放棄しないのか?何百万ドルを貧民救済に使わないのかね?テメエたちの天国入りの資格を確保するために。
ジェンキンズはオレに言った。収入の20〜40%をチャリティに当てて居ると。ホメられてイイんじゃないかと。
しかし、この2人の「聖書解釈」はアイマイきわまる。ほれ、聖マタイ伝はストレートに言っておるではないか、6章19項で。「地上の富を、汝自身のために、積むべからず」
そして19章21項。「持つものを売って貧者に与えよ。カネモチは、神の王国に入ること能わず」
そこで。オレはアンタ等に、賭けを申し込む。
もし10年以内に、アンタ等の言う「世界の終わり」が来たら、オレはアンタ等の「アンチ・クリスト」との戦争に、500ドルを献金するぜ。
その代わり、もし「世界の終わり」が来なかったら、オレの貧者救済チャリティーと、偏向宗教との闘争資金として、500ドル寄越せ。
どうだい、この賭け。乗るかい?
ウム。コラムニストの中には、時々冗談まじりに、こうした「賭け」を提唱するご仁が居てはるのや。だけど、考えてみれば、「世界の終わり」が来てしまったら、500ドル渡す前に、ドッチも居なくなっているわけやねん。クリストフの負けは無いんちゃうか。
さて、ここでクリストフ君が使っている(BLUESTATERS)(REDSTATERS)なるワード、「青州組」「赤州組」とワメ語訳を宛てたが。
今回の大統領選で、アメリカ地図が両端のケリー派「ブルー州」と、真ん中の小ブッシュ派「真っ赤州」にキレイに色分けされたのはご存じの通り。
今、アメリカの「勢力」は、この2ツに分断されて居るのやねん。青って何、赤って何?
その道のスペシャリスト「西森マリー先生」の解説によれば:
「REDAMERICA」
原理主義的プロテスタントが多い地域:子供を学校に行かせず、家で親が教育する例が多い:学校や教会は人種毎に分かれている:ユダヤ人、東洋系は少数:
中絶は《汝殺すなかれ》というキリストの教えに反する罪と考える:しかし「死刑」は、《目には目を》という聖書の教えに合致してると考える:
銃所持は合衆国憲法による基本的権利:
同性愛はキリスト教に背く罪:エイズは神が同性愛者に与えた罰:
キリスト教を国教化して、公立学校でも祈りの時間を設け、理科の時間にはダーウィンの進化論の代わりに、キリスト万物創造論、天地創造説を教える。
「BLUEAMERICA」
大卒者など教育レベルが高い有色人種が多い:独身者が多い:コンピューター関連の技術者多い:つまりホワイトカラー系:労働組合のメンバー:カトリック、ユダヤ人が多い:
同性愛に寛容:中絶は女性の基本的人権と考える:銃規制に賛成:政教分離を支持。
赤州には至る所に教会があり、青州には至る所にスターバックスやエスニック・レストランがある、と言われる。
赤州は「FLY-OVER STATES」とも呼ばれる。ツマリ、青州に住んでいる高級ビジネスマン たちが、東北の大都市、NY、ボストン、ワシントン、シカゴと、西海岸の大都市、LA、サンフランシスコ、シアトルなどの間をヒコーキで飛び越して行く地域、と言うイミ。
ちょっと前までは、青州の人々は、赤州を「肉と穀物を提供してくれる場所」ぐらいにしか思っていなかった。
2000年に小ブッシュが大統領になり、2001年に「9・11テロ」が起きてからはアメリカ全土が急速に保守化して、赤州の発言力が増大した。今では、あの「グランド・キャニオン」さえ、原理主義者のパワーに負けて、「これはキリストの神が創造し給うた」なんてパンフレットを売っている始末。
ウム。よーするに、今回、「インテリ」青組民主党は、アメリカの「ハートランド」赤組共和党に負けたのや。ちょっと小ブッシュがらみ、小バカにしたところもあったのはタシカやねん。
カトリックの大統領ケネディが登場した時に、危機を感じた「赤組」プロテスタント、福音原理主義者は、次第に結束して、共和党系の候補支援にまわる。ジョンソンに対抗させたゴールドウォーターで負けて、ニクソンで勝つ。カーターには裏切られたと感じ、レーガン時代に勢力伸ばす。だからクリントンの後、小ブッシュには、モーレツな後援者役を果たしたのや。
このモーレツぶり、そして政治との関わりのロコツを避ける組織を確立しているところは、昭和20〜30年代の、創価学会から公明党が派出して来た経緯に似ておるやんけ。
大統領だけではない、上院も下院も、赤組がノサバルことになったアメリカ合衆国、インテリ・コラムニスト連は、ホンキで心配しておるのや。「赤ん坊ダラケ政府」なんて指摘も。
ま、とにかく、原理主義者ベストセラー「見捨テラレシ者ドモ」12巻は、その梗概チョイト読んでも、正気のサタじゃない。これをジョーダンじゃなく、ホンキで読む人々が居る、と考えるとホント、コワイのだよ。
赤組に関しては、キーワードとして「BORNAGAIN」がある。ハジメからの信者より、人生の途中で、ハっと気付いて、キリスト者となった覚醒者の方を評価するのや。「悪人正機」みたいなものやんけ。だから、若い頃は兵役もイイ加減、中年まで飲んだくれ風だった、小ブッシュの身の上話が役立ったワケやねん。アホか。