U-MAIL(ウンコ通信) 2005/06/08 


えー、プーチンによって、牢屋にブチ込まれた、かつてのナンバーワン・オリガルヒ、ホドルコフスキーの刑が9年と出た。で、このドラマのウラをめぐってのナンヤカヤ。


「ヘラ鳥ウォッチング」

「A SADLY RUSSIAN SHOW .AUTHOR?」:06/01

「《ホドルコフスキー裁判》の作者は誰?」

(モスクワ・発)

今、ロシアで一番の見世物は、「ミハイル・ホドルコフスキー」法廷ドラマ。ロシア国内だけでなく、海外からも注目のマト。その筋書き書いたのはダレか?に関してはイロイロ説ありだが。先ずは、ロシア国民にとって、このドラマはナニをイミするか?

スターリンの伝統の中で開かれるホドル裁判の情報源と、その重要性を理解するには、物事を、チョイとナナメに見る必要があるんちゃうか。

ホドルコフスキーは現代のヒーローやねん。彼はトコトン成り上がった。ロシアで一番成功した会社《ユコス》を作った資本家や。儲けについてシニックに考えることなく、ロシアの幸福と、コンピューターをフルに稼働させることしか考えなかった。だから孤児を援助し、慈善を実行した。その政治的野心はハッキリわからない。そのロシア・ユダヤ系のモスクワ生まれと言う生い立ちに、ヒトはイロイロ反応する。このヒーローのインテリジェンスがまた、反発を呼ぶのだよ、カッコ良すぎやしないか?と。

この現実ドラマの作者は、ホドルコフスキー物語を犯罪小説に仕立てたのや。ホドルコフスキーは世界の見ている前で、投獄され、裁判の始まる前から重罪とウワサされたのや。

アワレなのは、このアタマのキレる、実力のある実業家が、妬まれているのではなく、嫌われていること。オレタチはアイツ好かんのや。それだけ。これはワレワレのヒーローのドラマやねん。この国では、告発者の方が好かれる傾向がある。その言い分がナンセンスであっても。「ソ連後」のニンゲンは、人権、自由、責任と言った抽象概念は苦手だ。そう言った堅苦しい、聞き慣れないコトバを聞くとツイ身構えてしまうのや。

ホドルコフスキーはこの手のコトバに邪魔されない新しいロシアを作ろうとして居る。つまり、裁判の一方で、未来のロシアは今、古いロシアの牢獄の中に座って居るのだよ。

ホドルコフスキーがロシアを救うために、抗議の手紙を書き、興奮したり怒ったりしていることを、反体制派やインテリゲンチャン連中は理解して居る。しかしこの連中の考えは一般国民の性向とも、政府当局の思惑とも遠くカケ離れて居るのや。告発者の方が一般国民により近いのだ。告発者は国民の恐怖を煽る。だからホドルは未来からやって来た亡霊みたいなもので、一般人は彼の知性と彼の会社の透明性がコワイのだよ。

「私は1994年からズーっと税金払い続けて来た」とホドルは言う。さよか、大したモンやね。ウチ等は税金なんか払う余裕ありまへんのや。いつかこの男がウチ等の大統領になったらオオゴトやねん。この良い子ぶりと来たら!ホドルはクリーンや、ウチ等は腐ってドロドロや。もしアンタがオリガルヒ、新興成金だてんなら、ヨットでも買って海へ乗り出して見せてくれや。ホドルの独房には冷蔵庫もテレビもあるって言うじゃん。ウチ等の風呂場と来たら、もう10年も水が漏れっ放しやがな。

ハッキリ言ったろか。アンタはロシアから出て行けばええのや。だのにアンタはゴネルのや。「出て行きたくない」そして獄中から手紙を書いてロシアの未来をシンパイしてるのや。その態度がゴーマンだってのよ。さよ、ホドルはテメエの傲慢の被害者なんよ。

ゴーマンは小さい時からだって言うじゃん。若い頃、ホドルは大工だったのや。腕はどうだったのか。彼は常にカネを作ろうと心掛けて居ったのや。学位も3ツ取った。そんなの役に立たない。それはホドル自身のモンダイやろが。怠けるってことを知らないのや。頭髪はいつもサッパリとキレイ。もっと野性的に見えなきゃ。イライラと吠えなきゃ。ホドルはオシトヤカに独房に歩み入る。「ハロー、ぼく、ミーシャ」まるで行儀のイイ子供じゃんか。

法廷でのホドルの最後のコトバを覚えてるかよ?アイツは全員にお辞儀をし、全員に感謝した。カミさんや両親にまで。あれは礼儀正しいってもんじゃない、クサ過ぎるPRやねん。

なぜ、ホドルは、その燃え上がるエネルギーをロシアの国益に向けなかったのや?そのエネルギーに対抗するのに告発者はナニが必要だったのか?告発者は、ロシア保守主義にベッタリや。ロシアは腐敗の匂いを凍結せねばならぬ。コンピュータとスターリンと、ドッチがワレワレにとって重要か?リベラリズムの危機なんてものは、この国にはかつて無かったし、これからも無い。そんなもの国民にカンケイない。

さよ、ホドルを英雄と認めなければ、この国はバラバラに崩れるだろうよ。でも、再生するより、自分を裏切るより、西側からの投資を期待するより、ホドル教徒になるより、バラバラになる方がええんちゃうか?ワレワレは死んでもタマシイ守るでよ。この裁判はインテリ連中が言うような政治ドラマちゃうで。これはスターリングラードの攻防なのや、一歩たりとも退くわけには行かぬ。

この何十年、何世紀、ワレワレはズーッとアタマを下げっ放しで生きて来たのや。だから四つん這いではなく、シャンとアタマを上げて歩くヤツは、犯罪者と言うより、変人に見えるのや。これがホドルコフスキー物語の悲劇的教訓やねん。9年の強制労働刑だって?なぜ銃殺じゃないんだよ。

この芝居の台本作者については、イロイロな憶測がある。ロシア大統領だって説もある。バカナ。そんなモノ書くヒマないだろう。プーチンはロシアを救おうとして居るのや。クレムリンには他にも作者は居てはるで、有能な連中が。それに期待して《続き》を待とうや。


ウム。アタマで断っているように、これは「反語」として読む必要があるのやろ。この筆者のスタンスがよく分からないので、ワメとしてはロシア語からホンヤクされたと言う、このコメントを、どう受け取ったらエエのか、ようワカランのや。ま、ホドルコフスキーが、他のオリガルヒたちとは一風変わった「ワザトラシスキー」であることは想像つくけど。


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