U-MAIL(ウンコ通信) 2005/06/21 


またまたクリストフ君の告発。昨年10/08にご紹介した「《レイプ刑》の存在する世界」の続編。前回はパキスタンのミールワラからの報告だったが、今回はNYから。


「ヘラ鳥ウォッチング」

「A FREE WOMAN IN PAKISTAN」:06/20

「パキスタンの自由女性ビビ」 ニコラス・D・クリストフ

(NY・発)

政府の手によって一時拘束されていた、昨年のレイプ刑の被害者、ムカタラン・ビビと連絡がついた。

ムシャラフ大統領の政府は、まだウソを吐き続けて居る。彼女は自由で、アメリカへ旅行することも出来る、と。確かに、当局は出国禁止ブラックリストから、彼女の名前を削除した。その代わり、彼女のパスポートを没収したのや。

昨年9月、ワタシはビビの村を訪ねてこのトンデモナイ慣習を、初めて記事にした。3年前、村の長老会議は、彼女の兄が犯した(とされる)罪への罰として、ビビを相手の一族の男連中による輪姦刑に処したのや。(上記のヘラ鳥記事ご参照下され)

今迄は犠牲女性の泣き寝入り、自殺に終わるケースが殆ど。しかし、彼女は慣習に逆らって、相手を告訴し、逆に刑務所に送り込んだ。そして賠償金?を使って村に小学校を作ったのや。今、彼女自身がその4年生。今回も釈放された翌日から復学したのやねん。

ビビは、一種のヒロインになった自分に贈られた方々からの寄付金を使って、救急サービス、女性避難所を発足させ、女性に対する「名誉殺人」「名誉レイプ」「塩酸攻撃」への反対キャンペンを始めた。ところがムシャラフは、この野蛮な慣習の根絶に協力するのではなく、事件を隠蔽してパキスタンのイメージ・ダウンを防ごうとしたのだよ。

で、当局は今月、ビビがアメリカ行きを計画しているのを知って、彼女を拘束した。さらに彼女を威嚇するため、輪姦犯人等を釈放を命じたのや。これは手続きのミスなどではない。上からの司令にマチガイない。

さらに、ビビの親族にオドシを掛けた。また、ビビを支援したグループにも圧力掛けた。
ムシャラフは記者会見で、ビビをブラックリストに載せるよう命じたことを認めた。そして、ビビは母親の病気のため、自らアメリカ行きを取り止めたと当局は発表したが、それもウソで、ビビは「アメリカに行かないように」と命じられたのだと、渋々ムシャラフは認めたのや。

「パキスタンのイメージを傷つけたくないのだ」とムシャラフは言った。御同情申し上げるよ。それならば、レイプ被害者を迫害するのと同じ熱心さで、レイプ犯人を告訴するべき。それがオレの忠告。

ビビがオレに語ったところによれば、首相の秘書から電話があり、アメリカに連れて行ってやると。よーするに、ムシャラフはビビのアメリカ行きに、ピタリと監視付けることで、イメージの危機を防ごうと考えたのや。「アタシはNOと言ったの」とビビ。「アタシは自由意志で行きたいのだから」

このスバラシイ女性に脱帽せよ。ムシャラフ大統領はライバルを追放して、シビリアン政府を転覆させることは可能かも。しかし、今や、テキは金のハートと鋼鉄の意志を持った農民女性なのだよ。


ウム。この記事がどの位、政治的に「影響」あるのか、ワメはワカラヌが。中国を始め、アチコチに、この手の庶民レベル反体制活動とそのPRが染み出し始めておるのォ。

ワメは、ビビが告訴した時、当局の取った態度がよく分からないのだが。慣習に従ってビビを輪姦した男たちを裁判で有罪にしただけでなく、ビビに8300ドルを与えたと言うのだよ。これが賠償費なのか、治療費なのか、なんとも判然としない。

まァ、ムシャラフとしては、西欧に対して、パキスタンが、女性の人権に配慮しているところをPRしたかったのだろう。ところが、ビビはこのカネを有り難く押し頂くのではなく、小学校を作るなど、社会改革活動を開始してしまった。これはムシャラフにとっては大誤算。さらにビビがアメリカにPRに行くと知って、アワテテ理由なき拘束を命じた。しかし、クリストフがビビと連絡取って、こうして記事にしてしまったからには、これ以降、何らかの開明政策採らねばなるまいて。ドースルドースル。困ってしまってワンワンワンのムシャラフやねん。

今、IT技術などではトップクラスと言われるインドでも、女性蔑視の慣習は根強い。一方イラクはサダム式の残虐殺戮はあるが、女性の人権・社会位置は高い。ワカラン。


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