U-MAIL(ウンコ通信) 2005/09/26
えー、ドイツの選挙結果、期待されたキリスト民主連合のメルケル女史の票が伸びず、連立をめぐってナンヤカヤ混迷の様子。その辺を、パリ在住、複眼的「ヘラ鳥」コラムニスト、ファフ氏が、アメリカ式自由経済主義とのカンケイから論じて居る。偏見意訳にて。
「ヘラ鳥ウォッチング」
「EUROPEANS THUMB THEIR NOSES AT THE EXPERT」:09/23
「EUがアメリカ式エセ自由経済に傾斜するキケンについて」 ウィリアム・ファフ
(巴里・発)
7月半ば、ドイツ野党のリーダー、アンゲラ・メルケル女史はシラク大統領を表敬訪問した。
しかし、その目的は、2007年の選挙でシラクの後釜狙っているニコラス・サルコジーとの記者会見だったのや。
サルコジーは疲れ知らぬ男、政治世界の礼儀ギリギリでシラクにタテついている野心家。メルケルは、東独からの牧師の娘で科学者。まことに不釣り合いな2人だ。
この記者会見のネライは、メルケルとサルコジー双方が選挙に勝って、英国のブレア首相と共に、小ブッシュ式アメリカの自由経済追従へのトリオを作るのでは?というところにあったのや。
この新顔2人が、EU憲法の失敗で手詰まりとなった、反米的シラク・シュレーダーの古い欧州を変革するのでは?、パリ〜ベルリン〜モスクワ軸から、ベルリン〜大西洋軸へと動かすのでは?と。
しかし、サルコジーにはド・ヴィルパン首相という強力な相手があり、ギリギリ勝ったメルケルは、連立でリーダーになっても、改革のチカラは無いのでは?
先週NYに集合した170人の大統領、首相の中でも、ド・ヴィルパンの存在は、ニューヨーカーから「偽アメリカ人」などと揶揄されているサルコジーなど寄せ付けなかった。
これはEU有権者の立場から見るとどう言うことか?
シカゴ大学の錬金工場から新マネタリスト派が出現して以来、世界の「専門家」、エコノミストや主要経営者たちは一般大衆に、遂に「経済的成功の真実」が発見された、と請け合ったのや。
この「真実」に従えば、社会正義とか企業責任とか言った古い思想は、実際的には非効率のゴンゲで、利益と株式市場の数字で測られる企業体の事業遂行に障害となる。
このアタラシイ思想に従えば、規制緩和やグローバリズムと結びついた企業の最大利益追求こそが国民の最大幸福を生み出すのや。
有権者は言った。「そう言うことかもね、エライさんがそう仰言るのなら」。結果、労働者は失業し、生活費の高騰で実質賃金は低下し、社会保障はカットされた(アメリカでは健康保険が削り取られ、年金は経営者に盗み取られた)
ドイツやフランスの有権者にしてみれば、この30年間、こんなに犠牲を払わされて、どこにその恩恵があったと言うのだ、オセーテ、オセーテ、となるのや。
これは、EUの拡大とEU憲法への賛否投票と平行しておるのや。有権者のココロの底のチエが(専門家は反発本能とでも評するだろうが)「専門家の意見」にNOと言っておるのだよ。
かくて、今、ワレワレは重大な民主的岐路に立ち合って居るのやねん。
ウム。欧州の各政党の角逐はともかく。選択肢は、「アメリカ式小さな政府・テッテ的シホン主義自由経済」か、「欧州式大きな政府・社会的セーフガード付きの修正的シホン主義」か、ということになる。
ワメ等の国では、エエカッコシ・コイズミが「アメリカ式」を選択した、ということらしいが。性格的には大きな政府期待本能の強いニッポン地域社会、反動・巻返しが、どういう風に起こるか?これが見物やねん。