U-MAIL(ウンコ通信) 2005/10/28
えー、「ヘラ鳥」2004/08/09の「カンボジアはポルポト鏖殺を裁けるか?」と、2005/03/17の「クメール・ルージュの遺産:未成仏髑髏」ご参照の上、今日のレポートお読み下され。
「ヘラ鳥ウォッチング」
「IN KILLING FIELD, KHMER MEMORIES FOR SALE」:10/26
「170万の髑髏ごと《ポルポトの思い出》の土地:日本企業が借り上げた」 セス・マイダン
(カンボジア・CHEUNG EK・発)
クメール・ルージュの「殺戮場所」から犠牲者の亡霊が立退いて、やっと平和が戻りそうだと、周辺の住民たちはホっとして居るそうな。ホントかや?
「年がら年中、亡霊が出ていたよ。でも漸く、彼らも成仏出来そうだよ」30年ムカシ、8000人が殺戮された土地の真上の小屋に住む管理人は言う。
1975〜79年の間に、共産クメール・ルージュの冷酷な処刑で殺された170万の犠牲者の骨を埋めた沢山の穴蔵は、その記憶の「エンガチョ聖地」となって来た。
だから、昨春、プノンペン政府がこの「エンガチョ聖地」を日本の会社に賃貸すると発表した時、多くのカンボジア国民はショックを受けたのや。
「これはワレワレの歴史の記憶を商売に利用すると言うことや。記憶を売ったりしてはアカンのや」クメール・ルージュの資料保存会のリーダーは怒る。
しかし、実際には、この取引は現実的なもので、オドロクことはないのやねん。
今、政府所有のプノンペンの土地への市場の需要は高まって居るのや:大学、裁判所、病院、警察署、各省庁はモチロン、宮殿の一部も、ビジネスとして売買されて居る。
今やカンボジアは、売れるものは何でも売り、貸せるものは何でも貸す、というスタンスなのだよ。テメエ自身をテメエで貪欲に食い散らかしておるのや。
森林、漁業、鉱山採掘権、航空路、船舶登録、産業廃棄物、武器、さらにはオンナ、少女、少年、赤ん坊、ナンデモあり。
殺戮記憶の地を取引きするズっと前から、政府はワケアリの私企業に、あのアンコールワットを利用して何百万ドルを稼ぎ出す権利を貸与しているのだよ。
プノンペン市内の土地価格は、この5年間で3倍上昇して居る。不動産市場は過熱状態で小さな湖を埋め立ててでも供給を増やすカマエ。
フン・セン首相は、批判などどこ吹く風、「国連から一人の男がやって来て記者会見したよ。カネのために来たのさ。彼はカンボジアをドロボーだらけの国だと思ってるのさ」とウソブイたのや。
目下の取引きの殆どは、ごく少数の、情報に通じた私企業による、土地交換契約だ。開発業者は市内の高価な土地を獲得する代わりに、地価の安い郊外に代わりの建物を建てる約束を結ぶのや。その詳細は隠蔽される。ウラに多額のカネが動いているのはタシカだが。
今、進行中の取引きとしては、フランス大使館近くの、王立芸術大学が、郊外に建てられる新しいビルと交換されるというウワサがある。
同様にして、プノンペン警察も、刑務所も、郊外に移されるのだと。宮廷や王族に属する土地も、政府の建物建築の代償に当てられる、と地方紙は報じて居る。
とある開発業者は、司法関係の建物を手に入れたと、カンボジア・デーリー紙は報じて居る。この業者は、代わりに郊外に法務省、最高裁、プノンペン市法廷などを建設して居ると。
「彼らはその内、メコン川を売るつもりかも。いや、プノンペンをマルゴト売るツモリかも」
クメール・ルージュの主要処刑場だった当地CHEUNG EK は、とある企業と、1年15、000ドルで、30年間の契約を結んだ。この会社は、入場料で1年間で200、000ドル儲かる勘定だと。
その日本企業、JCロイヤルは、この土地をクリーンアップし、組織化することを約束した。亡霊が徘徊する恐怖を払拭すべく。
この契約にサインしたプノンペン市長は、日本企業は、この殺戮場所の穴蔵を保存しつつ樹や花を植えて環境改善してくれると。
さよ、キャッシュへの欲望は、亡霊への恐怖を上回るのだ。もう長いこと、この辺りには、飲み物の売り声や、「1ドルチョーダイ、1ドルチョーダイ」という乞食コドモの声でイッパイ。
記憶の土地を管理する保安官、ロス・ソフィア・ラヴィは、日本企業が、入場料を50セントから2ドルに値上げするズっと前から、亡霊たちはこの地を離れたようだと語る。
子供たちも、親が、犠牲者の亡霊が歩き回る怖れが減ったから、夜間、家の外に出てもイイと言うようになったと。
棕櫚の葉で葺いた小屋に住む70才の管理人、スヴェイ・プレウングは言う。毛虫が蝶になるのに時間が経かるように、死者の霊魂も、成仏して輪廻再生するには時間が経かるのだと。漸く彼らは旅立った。霊界は静寂を取り戻し、クメール・ルージュなどが現われるずっと以前、この辺りを支配していた土地のカミサマがお戻り遊ばしたのや。
ナゼ、土地のカミさまは、犠牲者たちを救うことが出来なかったのか?と訊かれて、スヴェイは「出来るわけないじゃろが。なにせクメール・ルージュは《宗教》を禁じて居ったのやから」だと。
ウム。カンタンに言えば、亡霊たちは、中国、ベトナムなどアジアに伝染してきた不動産ブームの煽りを受けて消えて行ったということやんけ。
それにしても、日本企業が「殺戮の土地」を借り受けて、「入場料」取って商売していると言うのは、あんまりイイ気持ちのもんじゃないぜ。一種の観光地化しているってことだろうけど、昨年話題になった「ポルポト・テーマパーク」のアイディアを継いでるのじゃあるまいね?
カンボジアのフン・セン首相は、ポルポトの170万殺戮の犯罪を国際法廷で裁くことに抵抗する一方で、法廷の被告になるべきポルポトの旧将軍連を案内人に仕立てて、髑髏を見せ物に、「ポルポト・テーマパーク」を観光資産としてカネを稼ごうとして居ったのだよ。トンデモないコトやねん。
そして一方では、放置された膨大な髑髏の亡霊が、その土地土地を徘徊して、お巡りサンを含め、周辺の人々を恐怖に陥れて居ったのや。
シタタカ・フン・センが、土地ブームからめて、一石二鳥、日本企業を呼び込んで、賃貸料稼ぐと同時に、亡霊追っ払ったというワケや。さて、170万柱の霊魂がダマって消えるなんて考えられるかや?タタリはマチガイなく日本企業に来るでよ。合掌。