U-MAIL(ウンコ通信) 2006/06/02 


《CLASS IN AMERICA》

「アメリカの社会的階級」第4回:05/05/23

4) 《A NEW BREED OF U.S.CHRISTIAN》

「新興・福音主義派がエリート階級へ」

ローリー・グッドシュタイン&デヴィッド・D・カークパトリック

去年の冬の一時期、ロード・アイランドのブラウン大学を卒業したばかりの、福音主義伝道師のテイム・ヘイヴンスは、キャンパスの吹き抜け階段で朝の礼拝を行なっていた。

それは、1階をアメリカ・インディアン美術の展示場に改造するため大工たちがトンカチやっていたのと、2階の小さな祭壇は、仏教徒学生たちの読経に使われていたからや。

他のアイヴィー・リーグの大学同様、ブラウン大学もプロテスタント牧師により、キリスト教大学として創立された。しかし年月を経るにつれ、宗教的なナンヤカヤは薄れ、世俗的な一般大学になった。これは他のアイヴィ大学も同じ。さらに、ブラウン大学の牧師当局はいまや、仏教徒を信仰コミュニティ内の「異教徒」として承認して居るのやねん。

しかし最近、ヘイヴンスの礼拝グループのような福音主義の学生が、ブラウン大学の中で際立った存在になって来た。5700人の在学生の中400人が、聖書の権威を強調するプロテスタントのグループに属して居る。この派は、「ボーンアゲイン」と呼ばれる「回心経験」と、その信仰の布教活動を重要視する。この福音主義派の人数は、プロテスタント主流派を凌ぐ、と大学牧師当局は言う。

そして、こうした学生たちは、大学キャンパス内だけでなく、ゴルフ・リゾートや、重役会議室内でも、大きく社会傾向を左右する前衛的役目を果しつつあるのだよ。彼らは、米国エリートの中に福音主義者の拠点を広げつつある。アメリカ中のあらゆる場所で、福音主義キリスト教徒の成長力と影響力は明白だ。ベストセラー・リストからホワイトハウスまで。

多くの世論調査が一致して認めるのは、自分を「白人福音主義キリスト教徒」と名乗るアメリカ国民の割合が、全人口の1/4に達している、と言うこと。

一番変わったのは、福音主義者の社会階級的地位。1929年に、神学者リチャード・ニーバー氏は「ボーンアゲイン」キリスト教は「一代限りの信仰」であると述べたのや。しかし、この40年間で、福音主義派は、収入面でも学歴面でも、歴史的に裕福なエスタブリッシュメントであったプロテスタント主流派に迫って来たのやねん。

その過程で、福音主義派は、旧来の社会階級をひっくり返してしまった。たとえば、「監督教会派」(エピスコパリアン)と言えば上流階級の別名、「原理主義者」とか「福音主義者」と言えば下層階級の別名である、というような社会常識を。

福音主義者は、いまや大学卒は当たり前、長者番付に名を連ねる。福音主義経営者たちは月例会で共に祈り、福音主義銀行家たちは、ウォールストリートの昼食会で聖書研究をやるのやねん。

彼等の富と学識の増大が、アメリカのブンカと政治に新たな影響を与えて居る。その購買力が、キリスト教関係の書籍、音楽、映画の市場ブームを煽って居る。彼等の増大する収入が全国の郊外に多数の巨大な教会建築を現出して居る。彼等の莫大な慈善献金によって、多数の伝道組織、宗教放送、国際奉仕団の活動が賄われて居る。

最近の慈善献金トップ400の中で、福音主義学生グループ「キャンパス十字軍」は、「米国ボーイスカウト」や「公共放送サービス」よりも上位の献金者。

3年前、アイヴィー・リーグの福音主義者卒業生が「キリスト教連合」を結成した。その意図は、「キリスト教のアイヴィー・リーグを立て直すため」で、基金募集の要項には「アイヴイー大学卒業してアメリカの文化エリートを形成している何万人のココロとタマシイを結集しよう」と。

「キリスト教連合」は、ブラウン大学、プリンストン大学、コーネル大学に新しい福音主義学生センターを購入し維持して居り、今後、すべてのアイヴィー・リーグ大学に学生センターを設置する計画だ。この4月に、450人の卒業生と支援者がプリンストン大学に集い、「信仰活動のためのアイヴィー・リーグ大会」を開いた。主旨演説者はチャールス・コルソン、ウォーター・ゲート事件関与で服罪後、「回心」した福音主義エリート。

「キリスト教連合」の創立者、マット・ベネットは語ったのや。「ワタシは、母校コーネル大学を初めとして、プリンストンその他のアイヴィー大学を愛して居る。しかし大学の現状にはココロを傷めて居ります」「キリスト教連合」の当面の目標は、大学付属伝道師をリクルートすることだが、それは「不道徳の洪水を指で防ぐような心細さだ」と。

「多くの社会指導者が、ワレワレのキャンパスから出て居る。最高裁判事9人の内7人がアイヴィー出身だ。マサチュセッツ最高裁判事7人の内4人もそうだ。キリスト教牧師指導者、多くの大統領、実業界の指導者たち、あらゆる所に居てはるのや」「この世の中を変えたければ、神のお力によって、ワレワレの大学を根本的に変えればイイのだ」

昨年ブラウン大学を卒業したヘイヴンは、「キリスト教連合」がメンバーに入れたい伝道師だ。「堅固な中流階級」と呼ばれる、ミズーリ州セントルイス出身の福音主義者であるヘイヴンは、2世代ばかり昔なら、ブラウン大学では例外的存在だったろう。ヘイヴンは「非主流キリスト教」なんてことはツユ考えず、キリスト教大学に行けという母親の願いにもカンケイなくブラウン大学を選んだのだった。

ブラウン大学に入ってオドロイタのは、秋の大学祭で、恒例の「セクスパワーゴッド・ダンス大会」とかが行なわれていたこと。これはレズ・ゲイ・バイ・協会が主催するもので、食堂には素ッ裸の男女の画が展示されて居たのや。

ヘイヴンは二重にアウトサイダーを感じた。さらに、信仰熱心なヘイヴンは奨学生となったが、学生の半分が4万5000ドルを与えられ、カネを湯水のように使って居た。

ヘイヴンは今、「キリスト教連合」がサポートする家に住んで、他の福音主義者とだけでなく、不信仰者とも接触しようと努力して居る。

前述の通り、「キリスト教連合」は40才のマット・ベネットの構想による。ベネットはコーネル大学で学士と修士号を取り、後にプリンストン大学で「キャンパス十字軍」を率いた男。

基金を集めるため、ベネットは全国の富裕な福音主義者のルートを手繰り、ちょっと前までは福音主義者など稀だった場所にまで手を延ばした。例えば、ベネットはNYのウォールストリートの重役室に乗り込み、月例の宗教知識人円卓会議「ソクラテス」の創立者たちにも会ったのだ。さらにその縁から、100人の銀行家たちが出席する金曜朝食礼拝会にもコネを付けた。さらに中西部から南東部にかけての地方エリートにも。

多くの福音主義者にとって、世界的な成功と文化的影響の増大はひとえに、神の御心。

しかし、其処には、時代の力も働いていた。第2次世界大戦直後、「復員兵援護法」が福音主義者帰還兵のパイオニア世代を、各大学に送り込んだのや。さらに、福音主義者の繁栄に一番影響与えたのは、1970年代、福音主義教会が集中している場所に新しい富とビジネスを持ち込んだ、南部・西部の移民たちだ。

さらに、福音主義者の勢力拡大は、彼等の民主党から共和党へのシフトとシンクロして居る。保守的キリスト教の政治的運動は、貧民帯、田舎の「バイブル・ベルト」には滅多に広がらない。ヒューストン郊外のエド・ヤング師の巨大教会や、ロス郊外のティモシー・ラハイエ師の教会などが、成長の源泉になるのだよ。

ところで最近、ヘイヴンはブラウン大学の伝導牧師を辞めようと考えて居る。仲間の女性伝道師と婚約して、生まれた子供たちを、どう育てるか考え始めたからだ。後1年、ブラウン大学に籍を置いてから、セントルイスの医科大学に入ろうかと。医者の免許取った方がカネが稼げるのではないか。そうすれば子供たちは、自分のように奨学金やアルバイトの心配することなく、大学に通えるだろうと。でもそれは「自分の努力次第」と。

同世代の福音主義者と同様、彼にとって信仰は、世界スベテの源泉だ。ブラウン大学の同僚は、いつもイジワル予言していた。いつしかお前の信仰は弱まり、クルマや衣服、その他、上流階級の趣味にカラメ取られるんちゃうか?と。

今も将来もブラウン大学での信仰を裏切ることはない。とヘイヴンは思う。でも、「これまではスベテ良かった」けれど「おカネがまるで無いのは事実だ」と。


フム。日本にも宗教団体バックの大学は多いが。ヒタムキ、ラジカルなココロは払底しておる。ワセダ、ケイオーにしても、創立者のセイシンは最早カスンで居る。「学校経営」でアップアップや。初めからセイシンなんか無いトーダイだけが、明治以来の「日本管理階級」への階段として栄えて居る。

戦後の一時、「貧・病・苦」ターゲットに、ラジカルな布教活動で勢力広げた創価学会も「階級上昇」したようには見えぬ。

一種ヒタムキに、ドラッグ的「座禅」に淫した「オウム」も単なる「狂気集団」と見做されてチョン、やんけ。ホントは腕組みしてよーく考えにゃアカンちゃうか?


BACK