U-MAIL(ウンコ通信) 2006/06/26
えー、少子化のモンダイは日本だけではない。が、偏ったアプローチは日本だけやねん。
「ヘラ鳥ウォッチング」
「WHO WILL REPLACE US?」:06/20
「世界の少子化:日本の対策」 フリップ・ボーリング
(TOKYO・発)
世界の産業先進国の全体と、発展途上国の一部が直面している、長期的な危機。それは出生率の低下。
しかし、その原因、対策についての研究はほとんど為されていないのや。
このモンダイにセマラレた日本は、解答を出すべきリーダーの役目を負おうとして居る。40年前に世界が直面した、そして今もアフリカやアジアの一部の国々ではモンダイになっている、人口過剰問題と同じように重要なテーマとして。
日本は世界で一番老人の多い国、ユルユルと衰退が始まって居る。あまり知られていないが、今の出生率だと、日本の人口は今世紀末には5000万に半減する筈。
日本の出生率1.25%は、韓国やヨーロッパのいくつかの国とソコソコ、最下位のシンガポールや香港よりはいくらかマシ。先進国の殆どは、長期間の人口維持のために必要な2.1%に届いていない。中国の各都市の出生率もきわめて低い。これは一人っ子政策のセイだけとは言えない。
もちろん、出生率なんてものは上下する。ナゼか?日本の「男女行動共同参画」「社会問題」担当の猪口大臣は、日本の少子化モンダイの原因は性差、つまり「男女不平等」にある、と考えて居る。
最近、東京で行なわれた世界経済フォーラムで、彼女は、出生率を増加させる方法として、女性の労働市場への参加を増やすことと、男性に、もっと家事雑用に協力させること、の2ツを挙げた。
不平等な男女差別が、女の結婚延期をもたらして居る。妊娠すると退職をセマラレたり、妊婦援助制度や、託児所設備が無かったりするからやねん。
これが日本や韓国の現実なのだよ。最近まで男女平等という観念に乏しかった南欧諸国にも当てはまることだ。
でも、香港、台湾、シンガポールとなると事情が異なる。これらの国では、女性の労働市場参入率が盛んで、収入も平等でかなり高い。
男女不平等が原因、と言うのでは欧州の多くの国での出生率の低さは説明出来ない。例えばドイツでは、男女平等のレベルも、女性の労働市場参加レベルも、収入レベルも比較的高い。なのに、その出生率は日本よりチョイ高いだけ。オランダやスカンジナヴィア諸国と較べると著しく低いのや。
ドイツが採っている対策は、政府の広範囲な家族支援を、より赤ん坊中心の支援にシフトすること。先週採択された「母親手当」法案では、出産のために休職する女性には、12ケ月間、給料の2/3が支払われる。
北欧の一部では、政府の支援計画のオカゲで、出生率の逆行現象が起こりかけて居る。でもこれは主として、新しい移民グループのセイだと言われて居る。移民のブンカ水準は出生率の重要な原因になる。欧州や先進アジア諸国よりアメリカの出生率が2.0、と高いのは、そのセイだ。アメリカ移民の中心、ヒスパニックの出生率は2.9なのだよ。
アジアの新興都市部での、低い出生率は、人口密集で住宅費が高騰し、夫婦共稼ぎの中流階級といえども、子供を養育する経済的余裕が無いからや。
先進国の出生率低下に共通する問題は、子供養育の経済性を考慮する近代社会の性格。
子供を生むことは、社会的機能の維持のためではなく、自分の自由選択肢と考えるのや。
近代経済の「神」であるGDP(国内総生産)成長度を計算する方法が、そのバカバカしさを、よく表して居る。
子供への投資は単なる投資ではない。統計は、家事労働の対価を国民所得に入れるだけでなく、人的資本の老化による減価も含めるべきだ。
国の福祉制度は、老人の保護責任を、従来の家族から国にシフトすることで、このモンダイに貢献した。
最近、国の福祉制度は、基金不足に圧迫されて、方向をシフトしつつある。個人は自己の貯蓄を増やして、テメエの老齢時に備えるべし、と。しかし、この傾向は、金融財産の取得による貯蓄を増やし、若い世代への投資を阻害する。日本の例に見られるように。
人口維持が不可能なレベルまでの出生率の低下は、合理的に説明出来る。これは社会政策だけでなく、歪んだ経済への反応なのやねん。
高齢化しても、なお創意に満ちた日本が、この本質的な真実をしっかり把握して、アジアやヨーロッパを、新たな出生率の均衡へと、導くことが出来るか?
ウム。たしかに、日本政府の少子化ギロンは、コワレかかっている年金制度の担保力としてのニンゲンの数を、どう確保するか、それだけ。それを持って回ってムリヤリ「男女不平等」にクッツケようとする某オンナ大臣のスタンスは、庭のドンブリ鉢やねん。浮き上がっておるのや、世間から。
中央公論7月号「ホンネの少子化論」で「論客」赤川学氏はカンケツに言い切って居る。
「個人の権利と自由を守るならば、結婚にも出産にも介入すべきではない」
「国の方針を優先させるならば、どっちにも介入しなければ効果が無い」
「私自身は、結婚も出産も個人の選択の自由であり、少子化対策など余計なお世話だと思っている」
さよ、ニンゲンは先ずニンゲンやねん。労働力や年金担保力とちゃうねん。
そもそも「男と女の間には」深くて暗い川があるのやねん。ダレかさんが言ってはった。