U-MAIL(ウンコ通信) 2006/07/06-2
「RUMBLINGFROM CHINA」:07/03
「中国から聞こえて来る雷ゴロゴロ」 ニコラス・D・クリストフ
(北京・発)
あの天安門から17年、中国は今や経済ウハウハ、政治的にも安定して見える。
だが、オレの予感としては、この順風満帆の時期は、そろそろオワリに近付いて居る。
「山猫プロテスト」と呼ばれる抗議デモが国中に広がって居る。政府発表でも、1日200件以上の抗議が起きて居る。騒ぎのモトは解雇とか、政府による土地収奪。
何年か先、ウハウハ経済が失速するにつれて、反乱は増えるだろう。
労働コストも、環境コストも上昇し、生産コストを押し上げる。国民全体の急激な老化で国内労働力は低下。年10%の成長率維持はムズカシイ。
安い労働力求めて、シゴトはヴェトナム、パキスタン、バングラデイシュ、など海外に流れる。
就職口の無い大卒はアタマに来て居る。オレが中国に出入りし始めてから23年、今までに無い、システムの脆弱さを感じる。共産党当局者も、同感だと。だから当局は元の平価切り下げしたく無いのや。工場閉鎖や失業や暴動にツナガルのがオソロシイのだよ。
抗議デモは、もはや日常化して居る。先日オレがNYの同僚記者の法廷に侵入した時にも農民の一団が、土地没収を非難する真っ赤なノボリを押し立てて抗議していた。80才の老人の車椅子を押しながら。このシタタカ老人、カメラが近くに来ると叫ぶのやねん。
「ワレワレ庶民にはカネもチカラも無い。出来るのは抗議デモだけ」とリーダーは言う。
抗議の上げ潮を、中国のヒラカレタ社会への進化、と見ることも出来る。共産党当局の中には、デモクラシーと自由に向かう台湾モデルに倣えという議論もあるのや。やろうと思えば自由選挙も出来ると。
しかし胡主席の未来ヴィジョンの中には、こうした進化論は無い。北朝鮮の政治形態を賞賛するよなヤカラなのだよ。胡の対処すべき基本モンダイは、この6年間でインセンテイブが変化して、体制への挑戦がゲンキになっていることやねん。
ある反体制者のハナシでは、ムカシはトラブルに巻き込まれると、10年の刑を食らって独房で行方不明になった。しかし今は、精々1年で釈放され、英雄になれる、と。
「気にするこたァない」共産党を批判するエッセイを書いて北京大学をクビになったJIAOーGUOBIAO 教授は笑い飛ばす。エッセイの続きを書いている彼は言う「私を拘束したきゃ
するがイイさ」
つまり、この国の中には今、大胆な行動が広がっている。今回の訪問でも、ある人々が、オレに、マル秘に当たる国家公安のウラバナシを披露してくれた。
この大胆さは重要だ。この半世紀、中国で政治変革が要求される時期は、動乱時ではなく逆に抑圧が弱い時なのだ。そして今、再び抑圧が弱まって居るのや。
今の中国はオレに1989年の初め頃を思い出させる。天安門事件のチョット前の頃や。また、1980年代中頃、韓国や台湾で、市民たちが独裁政府に反抗した頃を思い出させる。中国の周囲、タイ、インドネシア、モンゴルでも、収入と教育程度の上昇につれて、政府にアカウンタビリティを要求する大がかりな抗議が広がって居る。
オレは中国を信じて居るのや。この世紀末には、中国は世界で最重要な国になっているだろう。激しいヤマを乗り越えた末に。
現時点でのオレの予感。中国の「発酵」はドンドン進む。天安門事件以来の、長い静穏時期は終りを告げるだろう。
ウム。雷ゴロゴロの後には稲妻、そして驟雨。世紀末には虹の橋が架かるのやろか?
ワメのようなコトアレカシ派にとっては、クリストフ君の「予感」は興味シンシン。