U-MAIL(ウンコ通信) 2006/07/19 


えー、EUカンケイを、もう1本。フランスとともにEU憲法批准反対し、ルーマニア、ブルガリア、トルコのEU加入に難色示す国、オランダのナンヤカヤを2月遅れなれど、ご紹介致す。


「ヘラ鳥ウォッチング」

「EXPAND EU? TIME TO CALL A HALT,MANY SAY」:05/11

「EU拡大チョイとタンマや、なァ皆の衆」 ダン・ビレフスキー

(ロッテルダム・発)

人口60万人の、この産業港湾都市の中心に、第2次世界大戦の記念碑、ロッテルダムに降り注ぐ、ドイツの爆弾を見上げる人々の放心した絶望的姿が在る。

しかし、最近では、戦争は昔話となり、足を止める通行人は殆ど居ない。その代わり、近くのピム・フォルチュイン像に、人々は集まるのや。フォルチュインは、イスラム教徒の移民とEU拡大に反対する大演説ブってオランダ国民を刺激し、2002年5月の総選挙の前日に暗殺されたのだよ。

その像を敬虔な眼差しで眺めつつ、フォルチュインの意志を継ぐイキイキ・ロッテルダム党の党主ロナルド・ソレンセンは言う。欧州大陸の戦争再発を防ぐというEU創立理念は、もはやオランダ国民の共鳴を得られないのだと。

「EUは大きくなり過ぎましてん」とソレンセンは言う。「ルーマニア、ブルガリア、トルコの染み込みを防ぐために、われわれは新しい経済の壁を建てるべきやねん」

歴史の教師だったソレンセンは、フォルチュインと同じ意見なのや。EUを拡大すれば、オランダはドイツ、イギリス、フランスの傍らの弱小国になる危険がある、と言うもの。「1989年、ベルリンの壁が崩壊した後は、欧州大陸内の戦争を防ぐためにEUが必要だ、という考えはもう時代オクレでバカ気て居る」とソレンセンは言う。

オランダのナショナル・カラー、オレンジ色の衣服を着たソレンセンは、人々の人気バックにした挑発者に見える、事実そうなのだが。最近まで、彼の党はロッテルダム市議会をリードしていた。今は第2党だが。

オランダがEU憲法を62%の反対で拒否してから、ほぼ1年経つが、EUの拡大に対するソレンセンの反感は、ブルガリアとルーマニアの加入を決めるに当たっての欧州委員会のオツカレ感と重なる。来週、委員会はこのバルカン2国の進歩に関する報告書を出すが、多分、加入の決定は延期されると見られて居る。

その一方で、トルコ、クロアチア、マケドニア、アルバニア、セルビア、モンテネグロ、ウクライナなどが、EUのドアをノックして居るのやねん。

2004年には、ヨーロッパ人の多くは、EUの東方への拡大を歓迎して居た。ソビエト・ブロックの崩壊後の穴を埋めるものとして。しかし2年後、10ケ国が増えたところで、EUの拡大は広過ぎ、早過ぎるとの不平が出てきたのや。ブリュッセルに本拠を置くEUが、遠くにまで拡張されることに、ヨーロッパのアイデンティティについての疑問が生じて来たのやねん。

最近の世論調査では、拡大が好ましいとする意見が、なお半数を超えてはいる。しかし、その2/3は、拡大がヨーロッパの労働市場に影響することを心配して居るのや。

主として、フランス、オーストリア、ドイツが表明するこの心配の理由は複雑に絡まって居る:ヨーロッパの景気停滞、移民者への反感、イスラム教徒トルコ加入への恐怖。

EUのリーダー連は、拡大反対への反動が、ポスト冷戦時代のアメリカの軍事力に対抗する最高の外交道具としてのEUの力を失わせることに警告を発して居る。

EU加入への希望から、トルコは困難な経済・政治改革を急いで居るし、ルーマニアやブルガリアも汚職摘発に取り組み、クロアチア、セルビア、モンテネグロも、戦争犯罪者の拘束を急いで居る。しかし、それを信用しない連中も居てはるのや。

EU言い出しっぺの国、オランダ第2の大都市ロッテルダムは、リベラルで開放的な雰囲気で知られて居り、EU懐疑論センターではない。48キロ四方に亙って桟橋や倉庫が立ち並ぶヨーロッパ第1の港は、17世紀のオランダ帝国以来の貿易センターだ。

しかし、1940年にドイツの爆撃で崩壊した後、ロッテルダムの中心地に再興した近代建築群は、周辺の荒廃した移民地区に台無しにされて居るのだよ。全国的に、オランダ人の半数は、政府がこの傾向にブレーキを掛けてくれることを望んで居るのや。

そうした反体制的人物のひとりに、オランダを代表する詩人、ジュール・ディールダーが居てはる。夜のカルチャーに大きな影響を与えているので、ロッテルダムの「夜の市長」と呼ばれているこの61才の詩人は、これ以上の拡大には断固反対と。ナゼなら、バルカンのビンボー人のために、コッチがダッチカウントでカネを支払うのはトンデモナイと。ヤツラには、オランダの、ドラッグや安楽死への寛容さが、まるで理解出来ないと。

彼は言う。オランダは既に、EUに最高の金銭的貢献をして居る。国民1人あたり194ユーロも支払って居る。これはフランスの4倍、フィンランドの14倍やんけ。

「オレたちダッチは、静かな反徒さ。このアホらしい統合を妨害するために、憲法にNOと言ったのだよ。ナンヤカヤ試みるのはケッコーだけど、当局はオレたちに意見を伺おうともしないやんけ」ハッシッシ酒場に囲まれたパブで、ミラー・サングラスの奥から世界を眺めながらディールダーは語った。

街の向こう側にはトルコ寺院がガン張って居る。オールド・ウエストと呼ばれる肉屋や工場のゴチャゴチャした一角にモスク尖塔が輝き、若いイスラム教徒たちは、EUの拡大について、また別の不安を語るのや。

ミモウン・カスミ、37才、モロッコから来たオランダ国籍の社会福祉活動家は言う。イスラムへのシメツケはキツイと。新しい法律では、新参者が住民登録するには、時給11.20ドルの最低賃金より20%高い収入確保が要求される。

ロッテルダムの住民の半数はオランダ生まれではない。21才でやって来たカスミは、EUにブルガリアやルーマニアが加入するのは反対だ。東からの低賃金労働者が、彼のような、ようやく仕事にありついた移民の職を奪うオソレが強いからだ。

「ポーランド野郎は、一軒に8人もが住み付き、時給3ユーロで喜んで働く。対抗出来ないよ」

ロッテルダム港の代表者シェルケンズは、貿易を拡大するから、EU拡大に賛成と言う。しかし拡大には別の危険もあると警告する。それはEUが、開発の遅れた、例えばバルチック地方の港に助成金を出すと、低コストのこれらの港がロッテルダムの競争者になるからや。「EUは砂漠のビジネスを激励してはアカン」と。

EUの擁護者は他にも居てはる。ロッテルダムのエリート校、エラスムス大学の27才のサンダー・ルットヴィーラーは、博士論文のテーマに、EUにおけるオランダの影響を選んで居るのや。

自分は国民投票では憲法批准NOを投じた。何故ならEUがエリート・クラブ化して、市民を無視するのがコワイと思ったからだ。EUの6万6000字の難解な文章は、とてもじゃないが、読み通せなかったと。

「この何十年か、EUはイイもんだという肯定的コンセンサスがあった。しかし、EUは拡大する前に、大衆に向けて、もっとテメエを説明しなくちゃ。大衆はバカじゃない。今までのように何でも受け入れるというワケには行かない」


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