U-MAIL(ウンコ通信) 2006/09/28 


えー、難産からエイズに、クリストフ君のハナシは飛んだが。もう一度、難産の続き。


「ヘラ鳥ウォッチング」

「PRUDENCE'S STRUGGLE ENDS」:09/25

「結局、妊婦プルーデンスは死んだ」 ニコラス・D・クリストフ

(カメルーン・ヨカドウマ発)

プルーデンスはベッドの上で、血を吐き、ノドがゴロゴロ言い始めた。先週月曜日、このコラムで、プルーデンスの話をレポートした時、オレは、もしかしたらハッピー・エンドになるのでは、と思ったのや。

繰り返しになるが、彼女は24才、既に3人の幼い子供が居る。4人目の陣痛が始まった時、経験の浅い村の産婆は、彼女の子宮頚管に障害があることに気付かなかった。で、子供を押し出そうと、プルーデンスの腹部を強く圧したのや。子宮は破裂し胎児は死んだ。
家族は彼女をオートバイの後部に乗せて病院に運んだ。医師パスカル・ピピは死亡胎児を取り出すための帝王切開に100ドルを要求した。しかし家族には20ドルしか無かったのや。彼女は放置され、死にかけた。

その翌日にワレワレが到着した。医師ピピは、手術の前に輸血が不可欠と言う。そこで、NYタイムズの仲間、ナカ・ナタニエルとオレが血液と手術費を提供した。

輸血で彼女は少し元気を取り戻し、手を伸ばして周囲の人々に反応した。医師ピピは、直ぐに手術を始めると言い、家族は大喜びだった。しかし、ワレワレを置き去りにして、医師ピピは、いつの間にか、自宅へ帰ってしまったのだよ。

プルーデンスを殺したのは医師と言うより、全体のシステムなのだ。翌朝、ピピは手術を行なった。しかし、その時既に病状は悪化して居り、病院に抗生物質など無かったのや。プルーデンスの呼吸は激しくなり、腹部は風船のように膨れ上がり、採尿バッグから尿は溢れた。看護婦たちは、これ以上ビンボーな妊婦に関わろうとはしなかった。

その夜、彼女は嘔吐し始め、血を吐いた。やがて昏睡に陥り、周りのタオルは吐瀉物と血液でビショビショになった。で、火曜日の午後、プルーデンスは死んだ。

20人に1人、アフリカの女性は出産時に死亡する危険があることを知識としては知っていたが、3人の子持ちの若い母親が、不条理に死んで行くのを見守るのは、なんともツライことやで。

もし、男が、この比率でドンドン死んで行くとしたら、カネモチ国もビンボー国も、モンダイにするに違いない。でも、こうしたビンボーな犠牲者の実情は目に見えないのだよ。
国連の人口基金は、母性健康プログラムを、カメルーンのいくつかの病院で実施して居り、其処でならばプルーデンスは助かったかも。でも、この僻地ではムリなのだ。

このプログラムを拡げるのはムツカシイ。ナゼカと言えば、小ブッシュ大統領がアメリカの提供する人口基金を削ったからや。それが中国で中絶を奨励することになる、というウソの主張に従ったのだ。そのトバッチリで、アフリカへの基金もカットされたのやねん。

なんと恥サラシな。そこで2人の女性が、個人的な寄付金でそれを埋め合わせようと、UNFPAなるグループを発足させた。母性の健康保護に右も左も無いやんけ。中絶禁止の政治がホントに必要なものを遠ざけてしまうのや。ホントに必要なものとは、ビンボー国での助産婦の質向上、出生前の養護、救急産婦人科設置などの援助キャンペンだ。事実、その御蔭で、スリランカやホンデュラスなどでは出産死亡率が下がって居るのやで。

コロンビア大学のリン・フリードマンは、アメリカが毎年、あと90億ドル出せば、世界人口の95%の母子の健康に有効な介入が出来ると。

さよ、それは膨大な金額だ、とお考えか?でも、プルーデンスのような女性が毎分一人、出産で死んで居ることを考えれば大したことは無いんちゃうか?だって世界は1年間にペットフードに400億ドルを費やしているんだぜ。


ウム。飽食世界のペットフードと、ビンボー後進国の母子安全をハカリに掛けるってわけか。時に、同伴女子学生、キャシーの反応の表情のレポートがソロソロ欲しいがな。


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