U-MAIL(ウンコ通信) 2006/11/22 


えー、またまたクリストフ君の「スーダン・ジェノサイド」コラム。10月に女子学生キャシーを連れてのレポート4本、11月に入って、既に4本ご紹介した。この執念はスゴイ。さらに、一昨日、今日と2本、どれも現地に留まってのレポート。ワメとしても、行き掛り上、無視するわけに行くまいて。2本まとめて、ポイントご紹介致す。


「ヘラ鳥ウォッチング」

「THE FACE OF GENOCIDE」:11/20
「HATRED BEGETS HATRED」:11/22

「世界の不感症のド真ん中で広がる《ジェノサイド》」 ニコラス・D・クリストフ

(チャド・ゴズベイダ発)

マルゲリータ、と名乗るご婦人から、イチャモンの手紙頂いた。「状況がヒドイってのは分かるけど、アンタのコラムはダルフールのハナシばっかり。アメリカ国内にもモンダイはイッパイあるじゃないの。アンタはエネルギーをもっとソッチに集中すべきじゃないの?」

それなら、マルゲリータさん、ハリマに会って欲しい。彼女の運命はアナタの手の中にあるのだから。

今年20才のハリマは、黒人アフリカ系の、ダホ部族に属する。ダルフール政府に雇われたアラブ系部隊ジャンジャウィードは、この部族をミナゴロシにしようとして居るのだ。
イイデスカ、マルガリータさん、世界はアナタと同じように、なるほどダルフールは悲劇だけど、戦略上は大したことじゃない、と見て居る。で、ちょっと話題にはするけれど、ミナゴロシが広がるのをホンキで止めようとはしないのだよ。

3月、ダルフールのミナゴロシは、国境越えてチャドに入り、ハリマの村を襲ったジャンジャウィードは、男たちを殺し、妊娠中のハリマを含む女たちをレイプし、虐殺した。ハリマの妹も殺された。生まれたばかりの赤ん坊も投げ殺されたのや。

さよ、世界はアナタと同じ態度なのだよ、マルガリータ。「悲しいことね、でも遠いハナシだし、アタシたち自身のモンダイで精一杯よ」

「お前たちクロンボは人間じゃない。此処に住む権利なんて無い」ジャンジャウィードは、そう叫びながら村人を殺し続けたと言う。

だからマルゲリータ、ハリマの未来はワレワレの肩に掛かって居るのだよ。この2、3日で、スーダン政府は外部からの圧力により、渋々、国連平和部隊をダルフールに進駐させることを認めた。でも、それでは充分じゃ無い。もっとプレッシャーが必要だ。ねぇ、マルガリータ、アナタがホワイトハウスに電話するか、議員に手紙を書いてくれないかね?
他にもアナタが出来ることはゴマンとある筈。ワレワレみんな、出来ることはゴマンとある。21世紀最初の《ジェノサイド》で、ハリマたちは、繰り返し繰り返しレイプされ、殺されるんだぜ。


「もし、ボクに銃を持たしてくれたら、アラブのヤツラを撃ち殺したる!」15才のイスマイル・ハッサンは病院のベッドの上で叫んだ。「でも、女や子供は別だろ?」とオレはなだめた。「ウウン、全部殺したる!」イスマイルは唸った。

この会話で、今、チャドが、憎しみと暴力と危険の崖っぷちに在ることが分かるだろう。ジャンジャウィードが、彼の村を襲い、イスマイルの父親を撃ち殺した。イスマイルは飛び出して行って父親の身体を庇った。ジャンジャウィードは、この勇気ある行為に動かされることもなく、平然と彼を撃ったのや。

2003年にはじまった《ジェノサイド》は、今やチャドと中央アフリカ共和国政府を転覆させようとして居る。この2国が崩壊して内戦の混沌に陥れば、隣接のカメルーンやニジェールも危ないのだよ。ダルフールで始まった鏖殺は、最終的に、数百万人に及ぶかも知れないのや。

しかし、これは防げた筈や。2003年と2004年に、共和党の中には、これに対応する動きがあったが、ホワイトハウスは無視した。(イラクでイッパイイッパイだったセイもあるだろ)

2004年には、パウエル国務長官が、ペンタゴンとホワイトハウスの反対を押し切って、ダルフールの状況に、敢えて《ジェノサイド》と言うコトバを使った。そして自分のスタッフにいくつかの対応策を立てさせた。その中には、チャドのフランス基地から飛行機を飛ばして、ジャンジャウィードを攻撃するようフランスに呼び掛ける案や、エジプトに積極的な役割を持たせる案、パキスタンとバングラディシュから平和維持部隊を出させる案、そしてアメリカの外交力を目イッパイ使うことなど、複数のオプションがあったのだよ。

どれも実現しなかった。ペンタゴンもホワイトハウスも動かず、フランス、その他の国々からも抵抗があったのや。

チャドのアラブ族は、アフリカ黒人が、自分達の家畜を盗み、井戸に毒を投げ込み、土地を占拠し、銃撃して来ると非難する。このイチャモンには根拠が無い、とオレは見る。アラブ族は、スーダンから支給されたライフル銃を持っているが、アフリカ族は弓と矢しか持っていないのだよ。

アラブ族の長老ブラヒムは言う。「コッチはアッチを敵と見て撃つ。アッチはコッチを敵と見て撃つ」しかし、肌色の薄い彼等の一族の中に、肌の黒い少年が一人居た。彼は喋れないように見えたが、もしかるすと、襲撃で捕虜にされ、奴隷になって居るのかも知れなかった。

読者からオレへの一番多い質問は。何をしたらイイのか?カンタンにお答え致す。

ホワイトハウスか議員へ、電話を掛けるか、手紙を出す。先週のアジア・サミットに、何故、小ブッシュ大統領は、この重要なダルフール問題を持ち出さなかったのや?何故、帰り途にカイロに寄って、アラブのリーダーたちと話合わなかったのや?何故、ライス長官をチャドに向かわせなかったのや?

アメリカ政府に圧力掛ける他にも、フランス政府やエジプト政府に、協力呼び掛ける手紙を書いたってイイ。中国に対しても、スーダンに武器を売るなと。その銃がイスマイルを撃ったのだから。さらに、アラブやヨーロッパのテレビを始め、世界の報道業界に、《ジェノサイド》を重要なニュースとしてもっと放送するように働きかけること。

そう、その他にも、ダルフールとチャドでは、英雄的な援助活動グループが努力を続けて居る。5月から今までに、その中13人が殺されて居るんやで。彼等は、ジャンジャウィード、サソリ、毒蜘蛛、コウモリだらけの穴式トイレ、などに悩まされながら、必死で闘って居るのや。オレたちの支援がゼッタイ必要なのだよ。


ウム。3年前、このサイトで、「小ブッシュのイラク戦争に反対する」署名を集めたことを思い出す。イラク戦争には、日本の自衛隊が関わるオソレがあったからや。しかし、結果はそんなチッポケなことでなく、アメリカの行為は世界中の安全とバランスを崩壊させてしまったやんけ。この《ジェノサイド》は、果たして「対岸の火事」やろか?


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