U-MAIL(ウンコ通信) 2006/12/04-2 


えー、時代錯誤と言うか、信念貫徹と言うか、元南ヴェトナム軍老パイロットの話を、ご紹介したが、現実のヴェトナムがどーなって居るか、「ヘラ鳥」論説欄からロジャー・コーエンのヴェトナム観察コラムを、ワメ流マトメで、ご覧下され。


「VIETNAM WORKERS RISE ON OUTSOURCING'S WHEEL」:11/25〜26

「グローバリズムの車輪は容赦なく回る:搾取か職安か?ヴェトナム女工の場合」

ロジャー・コーエン

(ホー・チ・ミン市・発)

アメリカのディズニー・ショップや、ヨーロッパのIKEAの店先で、子供向けの縫いぐるみ玩具を眼にした時、アナタは2000人のヴェトナム娘が、青い制服姿で針を動かしている情景を思い浮かべられるかい?

これら18才前後の娘たちは、メコン・デルタの米作地域出身。景気のイイこの町に働きにやって来たのや。週6日働いて月給はほぼ60ドル。作っている縫いぐるみの平均値段12ドルの5個分やねん。

3人1部屋、日曜日にはテレビを見て過ごす。水は貧民街の井戸から汲む。向かいの家具製造会社の男子工員とのロマンスを夢見ながら。

IKEAのマークの付いた色とりどりの縫いぐるみ動物たちが梱包されて、ヴェトナムから船積みされる情景、ダヌ・ヴィナ社の巨大な工場で、天井の扇風機の下、1週48時間あるいはそれ以上、働き続ける若い娘たちの情景を想像できるかい?

グローバル経済とは、まさに、こういうコトなんだよ。ウォルマート、IKEA、ナイキなどの製造工場ラインで、休みなく働き続ける娘たち。父親たちは田ンボや砂糖黍畑で働いて来た。アジア経済は、こうして世界経済の中に巻き込まれて行くのや。

これを「搾取」と見るか「労働チャンス提供」と見るか。それは人それぞれの考え方。オレは後者だが、「搾取」派もかなり居てはる。フランスやイタリアでは、週6日48時間労働なんてトンデモナイ。ヴェトナム娘たちは、「低賃金競争」に拍車を掛ける。フランスの週35時間労働水準への脅威的存在。

同様に、米国ノース・カロライナ州の織物産業が生き延びるためには、中国の8・4%に次ぐヴェトナムの輸出ブームは脅威となるのや。だからヴェトナムはWTO(世界貿易機構)参加は承認されても、「恒常的貿易関係」法案は、今月アメリカ下院で否決されたのだよ。

これは一時的には、ヴェトナムの後退に見えるけど、なに、以前の自転車からバイクに乗り換えたワカモノたちが、ケイタイ片手に街路をスイスイ行き交う様子を見れば、この国の経済にハズミが付いて来たことが分かるのだよ。

デズニー社やIKEA社の、膨大な縫いぐるみ動物の輸出を手懸ける韓国資本のダニュ・ヴィナ社の販売主任、インドネシア国籍のオクタヴィアンテさんは、「搾取か労働チャンスか」を、どう見てるか?

「色んな見方が出来ると思う。戸外で働いていた娘たちが、今は建物の中で働いている。これはOKよ。エアコンディションは無いけど、扇風機はあるわ。アンタ方は水準以下と見るかも知れないけど、彼女たちにしてみれば生活環境改善なのよ」

「グローバル経済は車輪のようにグルグル回っているのよ。前には韓国がこうした玩具を作っていた。でも今はクルマを作っている。その内にヴェトナムでも産業の開発が進めば、この仕事は、どこか他の国に行くのよ。先進国は玩具なんか作らないわ」

その見方からすれば、19才の女工グエン・ヒエンの場合はドッチ付かずかも。村の生活はツマラナイし、仕事も無い。縫いぐるみ動物にも興味無い。でも町の生活は楽しい。
ミッキーマウスは知ってたけど、デズニーは知らなかった。「カウボーイ」は聞いたことあるけど、「ハリウッド」は知らない。でも、こうして世界が段々身近かになる。

「誰か王子さまが、アタシを見付けてくれるまで、此処に居るの」箸を突き出しながら、社員食堂でヒエンは語って呉れた。昼食が終わると、みんなテーブルの下に寝そべって、チョイと昼寝する。なにしろヴェトナム南部は暑い。シエスタ(午後の仮眠)はグローバリズムの圧力への反抗なのや。

グローバリズムの圧力は苛酷か?さよ、「国際資本」は次々と、何千万の労働予備軍を見付け出してグローバル経済に巻き込むのや。中国、インド、ロシア、ヴェトナム、次はドコや?

では、グローバリゼーションは非難されるべきか?NOだ。歴史上のどんな時期よりも、スベテのニンゲンに、生活向上のチャンスを与えて呉れてるやんけ。

今年初め、ダニュ・ヴィナ社は、初めてのストライキを経験した。政府が最低賃金を上げる、というウワサに刺激されたのや。ストライキは5日間続いた。ヴィナ社は、60ドルの最低賃金を40%賃上げせざるを得なかった。「コッチの儲けが減った」と支配人は言う。会社は、製品の値上げを検討して居る。ちなみに、ヴェトナムの最低賃金は、中国より1/3ほど下回って居るのや。

中国を追って、これからも、賃上げは繰り返されるだろう。女工グエン・ヒエンのポケットは、少しづつ重くなるだろう。向かいの家具工場の男性工員と仲良くなって、この街に住み続けるかも。

さよ、グローバリズム経済は車輪のように回り続ける。テロとの戦争ナンノソノ、ワレワレは希望の時代に生きて居るのやねん。


フム。ケツロンとしてグローバリズム礼賛。でもこれは、ちょいとショートレンジの観察ではあるまいか?安価労働力を掘り尽くした末に、シホン主義はどこ行くのや?労働力こそ商品、と考えたマルクスさんに聞いてみるっきゃ無い。


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